肉髻(読み)ニクケイ

デジタル大辞泉 「肉髻」の意味・読み・例文・類語

にく‐けい【肉×髻】

仏の三十二相の一。頭頂部に一段高く碗形に隆起している部分烏瑟膩沙うしつにしゃ

にっ‐けい〔ニク‐〕【肉×髻】

にくけい(肉髻)

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精選版 日本国語大辞典 「肉髻」の意味・読み・例文・類語

にっ‐けい ニク‥【肉髻】

〘名〙 (uṣṇīṣa の訳語) 仏語。三十二相の一つ。仏・菩薩(ぼさつ)の頭の頂上に隆起した、髻(もとどり)のような形の肉塊
往生要集(984‐985)大文四「頂上肉髻、無能見者」 〔慧琳音義‐九〕

にく‐けい【肉髻】

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肉髻」の意味・わかりやすい解説

肉髻
にっけい

仏像の頭頂に一段高く隆起した部分のこと。釈尊の三十二相 (→三十二相八十種好 ) の特徴の一つで,一般の如来形にも超人的なものの象徴として表わされる。

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普及版 字通 「肉髻」の読み・字形・画数・意味

【肉髻】にくけい

仏頂

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世界大百科事典(旧版)内の肉髻の言及

【仏像】より

…通説では,仏陀の像はまず仏伝図浮彫に仏弟子や信者と同じ大きさに表現され,しだいに仏陀のみが大きく示されるようになり,やがて単独の仏陀像が出現したとされる。
[初期仏像の様式]
 初期のガンダーラ仏は,カールした長髪を頭上で束ねた肉髻(につけい),西洋人風の容貌,両肩を覆う(これを通肩(つうけん)という)厚手の衣に深く刻まれた襞(ひだ)などを特色とし,表現は具体的・現実的な傾向が強い。一方,初期のマトゥラー仏には外来の表現技法の影響は認められず,純インド的な美意識に基づき,巻貝形の肉髻,野性的な風貌,右肩を露出した(偏袒右肩(へんだんうけん)という)薄手の衣などを特色とし,観念的な理想美を追求している。…

※「肉髻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」