赤色矮星(読み)セキショクワイセイ(英語表記)red dwarf

翻訳|red dwarf

デジタル大辞泉 「赤色矮星」の意味・読み・例文・類語

せきしょく‐わいせい【赤色×矮星】

主系列星うち質量が小さく暗い赤色の光を放つ恒星太陽より小さく、核融合に使われる水素の量も少ないが、エネルギー消費がおだやかであるため、活動する期間はきわめて長い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤色矮星」の意味・わかりやすい解説

赤色矮星
せきしょくわいせい
red dwarf

矮星主系列星)のうちで、HR図の右下部に位置し、K型、M型のスペクトルを示す星(恒星)。表面が4000K(ケルビン)以下の低温度で、赤色に見えるのでこの名でよばれている。そのサイズは小さく、光度は低く、絶対等級は太陽より数等級ないし10等級以上も暗い。質量は太陽の0.8倍から0.1倍程度である。進化のスピードが遅く、主系列の滞在時間は数百億年以上である。また、フレア星(閃光星(せんこうせい))とよばれる爆発的な変光を示すものもある。

 赤色矮星の例として、太陽系にもっとも近い恒星のプロキシマ・ケンタウリがあげられる。また、グリーゼ581星は6個の惑星をもつ赤色矮星である。赤色矮星は太陽近傍の星の大多数を占め、銀河系全体でも圧倒的多数を占めている。そのため、全体の放射の量は無視できず、銀河面から数百パーセク以上離れた場所では可視光の大半が赤色矮星からのものと思われる。

[前原英夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android