矮星(読み)ワイセイ(その他表記)dwarf star

翻訳|dwarf star

デジタル大辞泉 「矮星」の意味・読み・例文・類語

わい‐せい【×矮星】

半径光度の小さい恒星。ふつう、ヘルツシュプルング‐ラッセル図での主系列星をいう。→巨星

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精選版 日本国語大辞典 「矮星」の意味・読み・例文・類語

わい‐せい【矮星】

  1. 〘 名詞 〙 スペクトル型の同一な恒星のうち、絶対等級の暗いもの。体積が小さく、平均密度表面重力の大きい恒星。太陽など。また、一般的には主系列星をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「矮星」の意味・わかりやすい解説

矮星
わいせい
dwarf star

中心で水素核融合反応を行っている太陽程度または、それよりも小質量の星。広義には水素反応を行っているすべての主系列星をさす。中心での水素反応終了後の中心部収縮の反動として生じる外側の膨張が目だつ「巨星」に対置される。小型で比較的密度が高いのでこのように命名された。白色矮星と区別して赤色矮星とよぶこともある。誕生する割合も大質量星に比べて多く、また寿命も長いので、存在している恒星の圧倒的多数を占めている。太陽は代表的な矮星の一つで、太陽系にもっとも近い隣の恒星であるケンタウルス座α(アルファ)星もよく似た矮星である。観測的には太陽質量の10分の1程度のM型矮星までが知られていたが、さらに質量の小さい褐色矮星も発見された。これは0.07倍太陽質量以下の質量の星で、核融合反応により光ることができず、ゆっくりと重力収縮して冷えていく。矮星の一種に、重元素の欠乏している「準矮星」がある。重元素が少ないためにスペクトル型や色指数に異常が生じ、HR図上で主系列のわずか下方に系列をなすのでこの名があり、その多くは「高速度星」である。

[小平桂一・安藤裕康]

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改訂新版 世界大百科事典 「矮星」の意味・わかりやすい解説

矮星 (わいせい)
dwarf

半径の比較的小さい星。巨星の反義語。太陽に代表される主系列星と,それよりも半径の小さい星を矮星という。主系列星の半径はその星の質量によって異なるが,2×1010cm~1×1012cmの範囲にある。主系列星よりも半径の小さい星を同じ光度の主系列星に比べると,その表面温度はより高く,その色はより青い。そのような星の典型的なものは白色矮星で,その半径は109cm程度しかない。準矮星は主系列星と白色矮星の中間的なものであり,ウォルフ=ライエ星惑星状星雲の中心星も矮星である。X線星パルサーとして観測される中性子星はその半径が106cmくらいだから,これも矮星といってよい。矮星は半径が小さいから,一般的には,可視光では暗い天体である。しかし星によっては,表面温度が十分に高く,紫外線などで見ると十分に明るいものがある。それらは,とくに紫外線矮星と呼ばれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「矮星」の意味・わかりやすい解説

矮星
わいせい
dwarf star

超巨星巨星以外の恒星をさし,通常は主系列星を意味する。絶対光度スペクトル型と相関し,おおむねF型は4等級,G型は5等級,K型は6~8等級,M型は 11等級で,ヘルツスプルング=ラッセル図上で一直線に並ぶ。太陽はG型の矮星である。ほかにスペクトル型が同じでやや暗い準矮星縮退した高密度の白色矮星がある。矮星のうち主系列星の数は他の矮星,巨星および超巨星などよりも圧倒的に多く,光度と質量の間に相関関係がある。

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百科事典マイペディア 「矮星」の意味・わかりやすい解説

矮星【わいせい】

半径の比較的小さい星。主系列星と,それよりも半径の小さい星をいう。主系列星よりも半径の小さい星の場合,同じ光度の主系列星より表面温度が高く,色はより青くなる。→白色矮星

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知恵蔵 「矮星」の解説

矮星(わいせい)

HR図上、主系列にある星。言葉の意味は小さい星だが、主系列の星が進化して巨星になることとの対比で、こう呼ぶようになった。ただし、白色矮星、色矮星などは、名前は矮星でも主系列星ではない。

(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内の矮星の言及

【主系列星】より

ヘルツシュプルング=ラッセル図で絶対等級0等のあたりに水平に分布する星の集合を巨星列,左上から右下に分布する星の集合を主系列,そして主系列にある個々の星を主系列星という。星のスペクトル型は表面温度だけで決まり,同じスペクトル型の星に巨星,主系列星の別があるのは主系列星の半径が小さいことを示し,矮星(わいせい)とも呼ばれる。太陽はG型主系列星,ベガはA型主系列星の例である。…

※「矮星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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