FFTともいう。周期関数は正弦波ならびに余弦波の重ね合せで表すことができる。これを周期関数のフーリエ展開という。これを拡張して,任意の関数s(t)も,ある条件のもとで次のような周波数成分S(f)に分解できることが知られている。
S(f)をs(t)のフーリエ変換という。
s(t)が,離散的なt0,t1,t2,……,tnに対してのみ定義されているときは,S(f)の代りに,
が用いられる。これを離散フーリエ変換という。
離散フーリエ変換を求めるのには,一般にN2回の乗算が必要となる。1965年にクーリーJ.W.CooleyとチューキーJ.W.Tukeyは,2Nlog2N 回の乗算回数で離散フーリエ変換を計算するアルゴリズムを見いだした。この計算法を高速フーリエ変換と呼ぶ。高速フーリエ変換の手法は,現在,工学の分野,例えば画像処理システムや熱伝導,応用力学,電磁場の問題を解くのに広く用いられている。
執筆者:宮川 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
fast Fourier transform
FFTと略称。離散フーリエ変換(DFT)を効率的に計算するための数学的処理。画像は各ピクセル位置での強度データと見なせ,FFTにより周波数成分へ分解すると周期的なパターンは特定の周波数成分(スポット)となる。結晶構造の電子顕微鏡像にFFTを行うと結晶の電子線回折と一致するパターンが得られる。スポットの強度は結晶の構造因子に関連する。ノイズ除去やフィルタリングなどの画像処理が可能となる。
執筆者:小西 博巳
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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