ジェラシュ(読み)じぇらしゅ(英語表記)Jerash

デジタル大辞泉 「ジェラシュ」の意味・読み・例文・類語

ジェラシュ(Jerash)

ヨルダン北西部にある古代ローマ帝国時代の遺跡。首都アンマンの北約40キロメートルに位置する。新約聖書に登場するデカポリス(十都市連盟)の一つであり、ゲラサと呼ばれた。ハドリアヌス凱旋門円形劇場、公共広場、アルテミス神殿などが残り、保存状態が良いことで知られる。ジェラッシュ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェラシュ」の意味・わかりやすい解説

ジェラシュ
じぇらしゅ
Jerash

ヨルダンの北西部、首都アンマンの北約40キロメートルにある古代ローマの遺跡。古代名はゲラサ。起源はヘレニズム時代以前のナバタイ人の時代にまでさかのぼるが、セレウコス朝時代以降は隊商都市として栄えた。2世紀に最盛期を迎えたが、そののち衰え、ユスティニアヌス帝(在位527~565)の時代にふたたび繁栄した。城壁内には、円形劇場、ゼウス神殿、アルテミス神殿、大列柱道路アーチをもった城門などがあり、泉水堂もある。

[糸賀昌昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェラシュ」の意味・わかりやすい解説

ジェラシュ
Jerash

ヨルダン北部,アンマンの北 35kmの町。シリアとの国境近くにあるラムサーからアンマンへの道路沿線にあり,マフラクイルビドへの道路の分岐点にあたる交通の要地。コムギ栽培ブドウ果樹園のある小さな町にすぎないが,ローマ時代はゲラサの町として知られ,丘陵地帯には神殿,円形劇場など遺跡が残り,観光地としても知られている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android