ミミズトカゲ(読み)みみずとかげ(英語表記)worm lizard

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミミズトカゲ」の意味・わかりやすい解説

ミミズトカゲ
みみずとかげ
worm lizard

爬虫(はちゅう)綱有鱗目(ゆうりんもく)ミミズトカゲ科に属するトカゲの総称。この科Amphisbaenidaeの仲間は、約17属30種がアフリカイベリア半島、南アメリカ、西インド諸島に分布する。全長約30~60センチメートル。体は円筒形のミミズ型で多くの環状しわがあり、尾がきわめて短く四肢を欠く。耳孔がなく、成体では目が皮膚の下に隠れる。地中性で、堅い頭骨をもつ頭部上下に振ってトンネルを掘る。近縁であるが別科に分けられるメキシコ産のアホロテトカゲBipes biporusのみに土掘り用の前肢が発達している。ともに餌(えさ)は地中性の昆虫である。北アフリカなどには別科であるフトミミズトカゲ科の4属6種が分布する。

[松井孝爾]

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百科事典マイペディア 「ミミズトカゲ」の意味・わかりやすい解説

ミミズトカゲ

ミミズトカゲ亜目に属する爬虫類の総称。爬虫類中,唯一地下生活のまま一生をすごす。名前のとおり,形も生態もミミズに似る。北米の亜熱帯地方,西インド諸島,南米,アフリカ,イベリア半島,アジア西部に140種が生息する。ほとんどが,全長15〜35cmほどだが,なかには75cmに達するものもある。英名は〈アンフィスバエナ〉というが,これは古代ギリシアより信じられていた,双頭の怪物の名前。ミミズトカゲが,尾と頭の区別がつきにくい姿をしていることによる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミミズトカゲ」の意味・わかりやすい解説

ミミズトカゲ
Amphisbaenidae; ringed lizard; worm lizard

トカゲ目ミミズトカゲ科に属する動物の総称。全長 35~40cm。体は円筒形で細長く,外観がミミズによく似る。原則として四肢を欠き,まぶたも耳孔もなく,地中で生活する。内臓の構造がほかのトカゲ類と違うだけでなく,移動するときにも体を上下にくねらせて進むので,トカゲ目のなかでも非常に特異な存在になっている。 100種以上を含み,おもに南アメリカとアフリカに分布するが,北アメリカなどにすむ種もある。

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