忍夜恋曲者(読み)シノビヨルコイハクセモノ

デジタル大辞泉 「忍夜恋曲者」の意味・読み・例文・類語

しのびよるこいはくせもの〔しのびよるこひはくせもの〕【忍夜恋曲者】

歌舞伎舞踊常磐津ときわず。宝田寿助作詞、5世岸沢式佐作曲。天保7年(1836)江戸市村座初演平将門の娘、滝夜叉遊女となって大宅太郎光国に近づき、色仕掛けで味方にしようとするが見破られ、妖術で闘う。通称将門まさかど」。

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精選版 日本国語大辞典 「忍夜恋曲者」の意味・読み・例文・類語

しのびよるこいはくせもの しのびよるこひはくせもの【忍夜恋曲者】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「忍夜恋曲者」の意味・わかりやすい解説

忍夜恋曲者
しのびよるこいはくせもの

歌舞伎(かぶき)舞踊劇。常磐津(ときわず)。通称「将門(まさかど)」。宝田寿助作、4世岸沢式佐作曲、2世藤間勘十郎・4世西川扇蔵振付け。1836年(天保7)7月、江戸・市村座で2世市川九蔵(くぞう)(6世団蔵)の滝夜叉姫(たきやしゃひめ)、12世市村羽左衛門(うざえもん)の大宅太郎光圀(おおやのたろうみつくに)により初演。山東京伝(さんとうきょうでん)の読本(よみほん)『善知鳥安方(うとうやすかた)忠義伝』を脚色した『世善鳥相馬旧殿(よにうとうそうまのふるごしょ)』の六建目(むたてめ)大詰としてつくられたもので、平将門(まさかど)滅亡後、その余類詮議(せんぎ)のため、源氏の臣大宅光圀が相馬の古御所に忍び入ると、将門の娘滝夜叉姫が島原の傾城如月(けいせいきさらぎ)に姿を変えて現れ、色仕掛けで味方に引き入れようとするが、光圀に見破られ、ガマの妖術(ようじゅつ)を使って大立回りになる。常磐津の名曲で、滝夜叉のクドキ「嵯峨(さが)や御室(おむろ)の花ざかり」のくだりは大いに流行した。昭和初期に6世尾上梅幸(おのえばいこう)が屋体崩しを使って大掛りに上演した形式を、第二次世界大戦後6世中村歌右衛門(うたえもん)が踏襲し、その得意の演目として再三演じている。

[松井俊諭]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「忍夜恋曲者」の解説

忍夜恋曲者
〔常磐津〕
しのびよる こいわくせもの

歌舞伎・浄瑠璃外題
作者
宝田寿助
演者
岸沢式左(5代)
初演
天保7.7(江戸・市村座)

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改訂新版 世界大百科事典 「忍夜恋曲者」の意味・わかりやすい解説

忍夜恋曲者 (しのびよるこいはくせもの)

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