末燈鈔(読み)まっとうしょう

精選版 日本国語大辞典 「末燈鈔」の意味・読み・例文・類語

まっとうしょう マットウセウ【末燈鈔】

仏教書。二巻。浄土真宗開祖親鸞法語および書簡従覚が編集したもの。元弘三年(一三三三成立。浄土真宗の信仰的立場がわかりやすく説かれるとともに、親鸞の日常教団の姿を伝える。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「末燈鈔」の意味・わかりやすい解説

末燈鈔
まっとうしょう

親鸞(しんらん)の消息(しょうそこ)集。1333年(元弘3・正慶2)親鸞の曽孫(そうそん)覚如(かくにょ)の子の従覚(じゅうかく)が編纂(へんさん)。内題に「本願寺親鸞大師御己証并辺州所々御消息等類聚鈔(るいじゅうしょう)」とあるように、親鸞の信仰体験を記した法語(己証)3通と、門弟に宛(あ)てた書簡(消息)18通を収める。なかでも第五通目のいわゆる「自然法爾(じねんほうに)」消息は、親鸞の最晩年の境地を示すものとして著名である。従覚の原本は火災で失われ、覚如の門弟である乗専(じょうせん)が1342年(興国3・康永1)に書写したものが、もっとも古い写本である。

大桑 斉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android