松戸覚之助(読み)まつど・かくのすけ

朝日日本歴史人物事典 「松戸覚之助」の解説

松戸覚之助

没年:昭和9(1934)
生年:明治8(1875)
二十世紀梨の育成者。下総国東葛飾郡八柱村(松戸市)の梨園農家に生まれる。13歳のときゴミ捨て場から見慣れぬ梨苗2本を発見,10年間自宅で育成し,芯の小さな,水分豊かな甘味ある実を収穫する。専門家に送り続けた結果,明治37(1904)年東京帝国大学池田伴親教授らによって「二十世紀」という新品種名を与えられ,鳥取,岡山,奈良県など全国的に栽培されるに至った。覚之助の死の翌年,原樹が天然記念物に指定された。<参考文献>『松戸市史

(中村勝)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松戸覚之助」の解説

松戸覚之助 まつど-かくのすけ

1875-1934 明治-昭和時代前期の果樹園芸家。
明治8年5月24日生まれ。千葉県八柱村(松戸市)の農民。明治21年ごみ捨て場でみつけた梨の苗をそだて,10年後に多汁で甘味のある肉質のやわらかな梨を結実させた。この新品種は池田伴親(ともちか)らによって「二十世紀」と名づけられ,覚之助は錦果園主として苗をひろく配布した。昭和9年6月2日死去。60歳。原木は10年天然記念物に指定されたが,戦災焼失

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