朝日日本歴史人物事典 「波多野敬直」の解説
波多野敬直
生年:嘉永3.10.10(1850.11.13)
明治大正期の司法・宮内官僚。肥前小城藩(佐賀県)藩士波多野久蔵の子として生まれ,興譲館で草場船山に学ぶ。維新後,その才能が認められて藩の命令で明治5(1872)年南校に入学,ドイツ法を学ぶ。7年司法省に入省,以降順調な道を歩み,32年司法次官,36年には第1次桂太郎内閣で司法大臣となる。さらに39年には貴族院議員に勅選される。大正3(1914)年宮内大臣となり,大正天皇即位の大礼を司る。宮内大臣としての彼は元老山県有朋の下で,大正天皇をめぐる種々の難問に対処した。
(季武嘉也)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報