置物（読み）オキモノ

デジタル大辞泉

おき‐もの【置物】

１ 神仏に供える物。
２ 床の間などに置く飾り物。
３ 見かけだけで、実際にはなんの力も権限もない人。「置物の会長」
[類語]調度・道具・器具・用具・器材・器物・工具・古道具・骨董・装具・用品・家具・家財・什器・備品・インテリア

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

おき‐もの【置物】

〘名〙 すえて置くもの。

① 神仏の前に置いて、供える物。

※書紀（720）神武即位前戊午年九月（熱田本訓）「此より始めて厳瓮(いつへ)の置(ヲキモノ)有り」

② 室内、特に床の間や机の上などにすえ置いて、装飾とする器物。

※吾妻鏡‐暦仁元年（1238）一一月一七日「於_二御所_一有_二和歌御会_一。〈略〉有_二盃酒置物等_一云々」

③ 衣服につけて、飾りにする物。

※たまきはる（1219）「上着、唐衣には、花結び、ぬひもの、おき物、かねをのべ、箔をおし、などしあひたりき」

④ 実際の用に立てるのではなく飾り物のように扱うこと。また、その扱われるもの。

※雑俳・滑稽発句類題集（1817‐31）二「置物にする女房は獅子っ鼻」

出典　精選版 日本国語大辞典