骨董(読み)こっとう

日本大百科全書(ニッポニカ)「骨董」の解説

骨董
こっとう

もとはごたごたしたつまらないもののことであるが、美術的な書画、刀剣、陶器などをいう。これら古人が使用したものを文人たちが実用と愛玩(あいがん)のために文房具として座右に置く風習は日本では室町時代からおこり、江戸中期ころからそれらを骨董とよぶようになった。明治には古い伝世の美術工芸品を骨董と総称し、それらを販売する古物(こぶつ)屋を古道具屋または骨董屋とよぶようになった。現代では絵画の類を別にし、器物の類だけを骨董として扱う傾向がある。

[永井信一]

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デジタル大辞泉「骨董」の解説

こっ‐とう【骨×董】

美術的な価値や希少価値のある古美術品や古道具類。骨董品。アンティーク。「書画骨董
古いだけで実際の役には立たなくなったもの。「骨董存在

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精選版 日本国語大辞典「骨董」の解説

こっ‐とう【骨董】

〘名〙
① =こっとうひん(骨董品)①〔随筆・静軒痴談(1868頃か)〕
※坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉二「主人は骨董を売買するいか銀といふ男で」 〔董其昌‐骨董十三説〕
道程(1914)〈高村光太郎〉泥七宝「妻もつ友よ、われを骨董のごとく見たまふなかれ、ひとりみなりとて」

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世界大百科事典 第2版「骨董」の解説

こっとう【骨董】

〈董〉は奥深く蔵することをいい,〈古董〉とも書かれて,愛玩すべき古物を指した。また中国では古く,細かなものを入れ混じえるもあり,魚や野菜を種々混ぜ合わせた煮物汁を〈骨董羹〉,五目飯のような混ぜご飯を〈骨董飯〉と呼んだことが知られる。明代の文人董其昌の《骨董十三説》に,骨董と呼ぶべきものとして金,玉,書画墨跡,石印,鐫刻(せんこく),窯器,漆器,剣,鏡,(すずり)などがあげられており,日本で用いられてきた骨董の語もおおよそこの意味に沿いながら,日本的に変容されたものというべきであろう。

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