精選版 日本国語大辞典 「茄子・茄」の意味・読み・例文・類語
なすび【茄子・茄】
[1] 〘名〙
※大鏡(12C前)五「先は、北野・賀茂河原につくりたる、まめ・ささげ・うり・なすびといふもの」
② =なす(茄子)②
※宗達茶湯日記(他会記)‐天文一八年(1549)二月一三日「くり色のたなの上に、なすひのつほ」
③ (形動) (①は安価で貧乏人でも食えるというところから) まずしいことをいう。貧乏。貧窮。
[語誌]→「なす(茄子)」の語誌。
なす【茄子・茄】
(「なすび」の変化したもの)
① ナス科の一年草。インド原産で、重要な果菜として古くから栽培される。高さ〇・六~一メートル。全体に細毛を密布。葉は長柄をもち、長さ一五~三五センチメートルの卵状楕円形で縁は波状。茎やがくにとげのあるものがある。夏から秋にかけ、先が七~八裂した径約三センチメートルの淡紫色の花が咲く。果実は楕円形・長楕円形・球形などさまざまで、色も紫黒・紅紫・紫・白色など品種によって異なり、煮たり漬けたり揚げたり、さまざまの調理法で食べる。漢名、茄。なすび。《季・夏》
※御湯殿上日記‐文明一五年(1483)五月一五日「松木よりなすの小折まいる」
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