藤田圭雄(読み)ふじたたまお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤田圭雄」の意味・わかりやすい解説

藤田圭雄
ふじたたまお
(1905―1999)

童謡詩人、童話作家、児童文学研究家。東京に生まれ、早稲田(わせだ)大学独文科卒業。童話雑誌『赤とんぼ』や『少年少女』を編集。さらに『中央公論』『婦人公論編集長となる。サトウ・ハチローと童謡研究会「木曜会」をおこして児童文学の創作に入り、童謡集『ぼく海賊』(1965)、少年小説『山が燃える日』(1969)などを出す。

 その後、童謡の歴史的研究にもっとも力を入れ、大作日本童謡史』(1971、84)2冊を完成。良識ある児童文学界の長老として、長く日本児童文学者協会会長を務め、その後は名誉会長となり、日本童謡協会でも名誉会長を務めた。

上笙一郎

『『日本童謡史』全2巻(1971、84・あかね書房)』『『解題戦後日本童謡年表』(1977・東京書籍)』『『童謡の散歩道』(1994・日本国際童謡館)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤田圭雄」の解説

藤田圭雄 ふじた-たまお

1905-1999 昭和-平成時代の編集者,児童文学者。
明治38年11月11日生まれ。中央公論社をへて昭和21年実業之日本社にうつり,児童雑誌「赤とんぼ」を創刊。のち中央公論社にもどり,「少年少女」などの編集長をつとめ,出版部長,取締役を歴任。また童謡運動をすすめ,「ぼくは海賊」を発表。47年「日本童謡史」で日本児童文学者協会賞。創作童話もおおい。平成11年11月7日死去。93歳。東京出身。早大卒。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤田圭雄」の意味・わかりやすい解説

藤田圭雄
ふじたたまお

[生]1905.11.11. 東京
[没]1999.11.7. 東京
児童文学者。 1930年早稲田大学独文科卒業。『赤とんぼ』 (1946~48) ,『少年少女』 (48~50) などを編集,良心的児童雑誌の灯を守った。その後,児童文学の実作にも手をつけ,長編『山が燃える日』 (69) などを発表,また生涯仕事として童謡研究に没頭し,『日本童謡史』 (71) をまとめた。

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