日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤とんぼ」の意味・わかりやすい解説
赤とんぼ
あかとんぼ
少年少女雑誌。1946年(昭和21)4月創刊、1948年10月終刊。実業之日本社発行。赤とんぼ会=大仏(おさらぎ)次郎、川端康成(やすなり)、岸田国士(くにお)、豊島与志雄(とよしまよしお)、野上弥生子(やえこ)の編集者名があるが、おもに藤田圭雄(たまお)が担当した。藤田の筆になる創刊の辞によれば、赤い鳥運動の文芸復興を願ったもので、「児童文学の復興と、綴方(つづりかた)教育の再建」を目ざした。戦後児童文学の記念碑的作品『ビルマの竪琴(たてごと)』(竹山道雄)の連載は注目され、ケストナー『飛ぶ教室』の翻訳(高橋健二)、サトウ・ハチローの童謡も話題になった。綴方の選者には川端康成があたった。
[大藤幹夫]