アイオン台風(読み)あいおんたいふう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイオン台風」の意味・わかりやすい解説

アイオン台風
あいおんたいふう

1948年(昭和23)9月15~17日に関東、甲信および東北地方に風水害をもたらした台風。強い勢力を保ったまま東海道沖を北東進し、伊豆半島南端をかすめて17日0時過ぎ房総半島に上陸し、その後鹿島灘(かしまなだ)から三陸沖へ進んだ。台風の中心付近では風が強く、台風前面の前線活動が活発になり、東北地方では、北上川(きたかみがわ)やその支流氾濫(はんらん)して死者・行方不明者が700人を超えた。とくに、一関(いちのせき)の山津波、宮古(みやこ)の洪水などで被害が著しく、全国では死者・行方不明者838人であった。アイオンIoneの名称の由来は、第二次世界大戦後に連合軍気象隊が台風の発生順序に従ってABC……の頭文字をもつ女性名を順次つけていったことによる。

饒村 曜]

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