山津波(読み)ヤマツナミ

精選版 日本国語大辞典 「山津波」の意味・読み・例文・類語

やま‐つなみ【山津波】

  1. 〘 名詞 〙 山崩れの大規模なもの。大雨大地震などの影響で、山の斜面渓流を多量の土砂、岩石などが急激に流れ落ちること。山潮。
    1. [初出の実例]「山急に頽或は地裂、村邑(むら)陥ることあり〈略〉俗に螺(ほら)のぬけ出、或は山津波(ヤマツナミ)と云」(出典:和蘭天説(1795))

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最新 地学事典 「山津波」の解説

やまつなみ
山津波

Yamatsunami ,avalanche ,catastrophic debris flow

土石流の俗称的な言葉で,先頭段波として岩塊流木が集中して,津波のように泥しぶきを上げながら土砂が高速で移動する現象。一般にきわめて規模が大きく,地すべりなどによって形成された天然ダム決壊によって流下する土石流を指す場合や,土石流に比べて水分がやや少ない場合に用いられる。また,地震に起因して起こりやすく,関東大地震(1923)の際の神奈川県小田原市南部の根府川の山津波は有名である。

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参照項目:土石流

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山津波」の意味・わかりやすい解説

山津波
やまつなみ

山間部でみられる段波状の先端部をもった土石流や洪水。土石流は一般に段波状の先端部をもっており、あたかも津波のように流下するので山津波ともいわれるが、山津波はかならずしも土石流だけではない。山崩れなどでつくられた天然ダムが決壊して貯留されていた水が一時に流出することによる段波状の洪水や、大雨、地震、火山爆発などによる大規模な山崩れとその流下現象も津波のような現象であり、山津波のなかに含まれる。

[芦田和男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山津波」の意味・わかりやすい解説

山津波
やまつなみ

山崩れなどにより大量の土砂が一気に押し寄せる現象。「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)では土石流の一種に区分され,土石流のうち規模の大きいものをいう。大量の岩屑が崩れて斜面を流れおり,下方の家屋を埋没し,人命に被害を与える。集中豪雨台風地震,火山活動などによって生じる。

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百科事典マイペディア 「山津波」の意味・わかりやすい解説

山津波【やまつなみ】

山崩れなどによる大規模な土石流をさす俗称。土石流の前面が津波がおしよせてくるようすと似ていることに由来。

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世界大百科事典(旧版)内の山津波の言及

【地震災害】より

…(2)隆起・沈降 上下方向に生じる地盤の変位である。(3)地すべり,山崩れ,崖崩れ,山津波 地盤が徐々に崩れる現象が地すべりである。それが,傾斜地などで突然的に生じれば山崩れあるいは崖崩れとなり,さらに,谷間などでそれらが大規模に発生すれば山津波となる。…

【土石流】より

山崩れや岩屑なだれが途中から土石流に移行したり,土石流が泥流に変わることもある。慣用語で山津波とよばれているものの大半と,鉄砲水といわれるものの一部もこれではないかとみられる。 土石流の大半は,豪雨によって谷頭部に起こった崩壊によってもたらされる土砂や岩塊がそのまま水とともに流下したり,崩壊した岩屑が流れをせき止めた後,それが一気に決壊して異常な洪水流とともに流下したり,谷床の堆積物が急激な出水で一斉に動き出すような形で発生する。…

※「山津波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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