アウグスツス時代の文学(読み)アウグスツスじだいのぶんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アウグスツス時代の文学」の意味・わかりやすい解説

アウグスツス時代の文学
アウグスツスじだいのぶんがく

前1世紀後半,アウグスツス帝が 100年の内乱終止符を打って,栄光ある「ローマの平和」を樹立したときに,文学もまた先代カエサルキケロの古典主義散文とカツルスらの洗練された技巧的詩歌のそれぞれの長所を受継ぎ,ギリシア的教養とローマ精神を調和させて,ここに内容,形式ともに充実した黄金時代のラテン文学を完成させた。正統派詩人ウェルギリウスとホラチウス,恋愛詩人のプロペルチウスチブルスオウィディウス,歴史家リウィウス,雄弁家の大セネカ,『建築書』のウィトルウィウスらがその代表。政治家や有力者による文学芸術の保護奨励も盛んで,アウグスツス自身をはじめ,ポリオ,メッサラマエケナスらの保護者が輩出し,図書館の建設,美術品の収集陳列,芸術家への経済的援助を行い,邸宅をサロンにして文人を集めた。特にウェルギリウス,ホラチウス,プロペルチウスを育てたマエケナスは有名。しかし彼のように保護者が体制に密着している場合,詩人は当然アウグスツスをたたえよとの要求を受け,世間もまたそれを期待する。詩人たちはこの圧力に屈して口先だけの皇帝礼賛者に堕することなしに,それぞれ自分の信念に従い,独自の方法でこの問題を解決すべく努力した。皇帝賛美が,たとい祖国の栄光の賛美という衣をまとってでも,真にすぐれた文学のなかに誠実な詩人の内心の声として現れるのはこの時代に特異な現象で,他に類をみない。

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