アケボノソウ(読み)あけぼのそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アケボノソウ」の意味・わかりやすい解説

アケボノソウ
あけぼのそう / 曙草
[学] Swertia bimaculata (Sieb. et Zucc.) Hook. et Thoms.

リンドウ科(APG分類:リンドウ科)の越年草。越年する葉はオオバコに似たスプーン形で長い柄があるが、開花時には枯れてみられない。茎は直立し、四稜(しりょう)形で高さ0.3~1.2メートル、上部は多くの枝に分かれる。葉は対生し、楕円(だえん)形または卵状披針(ひしん)形で、平行に走る3~5脈がある。9~10月、多数の白色の花が上向きに開く。花冠は深く5裂し、裂片は中央部より上に2個の黄緑色の円い腺体(せんたい)と紫黒色の細点がある。名は、細点をちりばめた花を夜明けの空に見立てたものといわれる。北海道南西部、本州、四国、九州の丘陵帯から山地帯の草地に生え、さらに中国ヒマラヤに分布する。

[高橋秀男 2021年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アケボノソウ」の意味・わかりやすい解説

アケボノソウ(曙草)
アケボノソウ
Swertia bimaculata

リンドウ科の越年草で,中国および日本各地の山間湿地に生える。茎は高さ 50~80cmになり,初め根生葉をもつ。根生葉はやや大型で長楕円形,平行する葉脈を数本もち,花期には枯れる。茎葉は対生し,卵形で長さ5~12cm,光沢がある。花は9~10月頃開き,花茎の先にまばらな集散状円錐花序をつくる。花冠は黄白色で,深く4~5裂し,その裂片には緑色の斑点がある。これを夜明けの空に見立てて和名がつけられた。

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