改訂新版 世界大百科事典 「アジュマーン」の意味・わかりやすい解説
アジュマーン
Ajmān
アラブ首長国連邦のなかで最小の国。面積は250km2で東京都のほぼ8分の1,人口20万5000(2002)。雨が比較的多く,連邦の中では夏がしのぎやすい国である。内陸の山間部に飛地があり,ここでは果樹や野菜が栽培されているが,国全体では漁業に依存している。就業人口の3分の1は漁業に従事し,大型の漁船をもつものもいる。漁獲物はイカ,甲殻類などの近海もののほか,深海魚や遠洋ものにまでおよんでいる。連邦政府は漁業近代化のため,漁港整備や冷凍施設の建設を行い,漁民には漁船用エンジン購入のための資金貸付も行っている。中小の漁業関連企業も発展しているが,海上油田関連の船舶の修理工場もふえ,その最大のものに政府と日本資本との合弁のアラブ・ヘビー・インダストリーがある。山間部の飛地ではクロム,銅,鉄鉱石を産出。
執筆者:冨岡 倍雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報