アブ・ダビ(読み)あぶだび(英語表記)Abū Dhabi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アブ・ダビ」の意味・わかりやすい解説

アブ・ダビ
あぶだび
Abū Dhabi

アラブ首長国連邦を構成する7首長国の一つ。アラビア湾ペルシア湾南岸アラビア半島にある。面積6万7250平方キロメートル、人口約116万5900(2001推計)と、いずれも連邦中最大である。首都のアブ・ダビ市はアラブ首長国連邦の首都も兼ねる。国土大部分砂漠で、オアシス農業のほか、かつては沿岸で真珠採取業も盛んであった。1959年に石油が発見され、1962年から輸出が始まると、伝統的社会は急変した。産油量は1970年の日産69.5万バレルから1977年には146万バレルに急増し、大量のオイル・ダラーと外国人労働者が流入した。中東第五の産油国で、アラブ首長国連邦の予算もこの国の石油収入に大きく依存する。また独立以来、連邦大統領もアブ・ダビのザイード首長で、政治的発言力は大きい。

[原 隆一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブ・ダビ」の意味・わかりやすい解説

アブダビ
Abū Dhabi

アラビア語ではアブーザビー Abū Ẓaby。アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ。連邦の 75%を占める最大の構成国。ペルシア湾岸と沖合いの豊富な油田により,ドバイと並び連邦の指導国の立場にある。ペルシア湾にほぼ並行して海岸線は長く,遠浅で,海上には小島が多い。首都はアブダビ市で,遊牧民から出自したバニーヤース族のアールブーファラー支族が首長として君臨している。1971年アラブ首長国連邦成立時,最有力構成国として参加。アブダビ市は連邦の首都でもある。アブダビの経済は大部分豊かな石油収入に依存するが,石油は 58年に初めて約 120km沖合いの海底で発見されたものである。陸上の主要な油田は,ムルバン,ブハサ油田で,全体の埋蔵量は 150億バーレルと推定されている。内陸地帯のブライミ・オアシスは,カナートによる灌漑地として,貴重な農業資源となっており,サウジアラビアとの国境紛争の係争地でもあった。面積約 6万7350km2。人口 79万8000 (1991推計) 。

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