トルコ南部,地中海に注ぐセイハン河口から約50kmの左岸にある都市。同名県の県都。都市域人口118万7098(2003)。古くリュディア時代からアナトリアとメソポタミア地方を結ぶ交通の要衝として栄え,市内には史跡が多い。7世紀以降,ビザンティン帝国,アラブ系・トルコ系諸王朝の係争の地となり,12~13世紀にはアルメニア人の国家もつくられた。セイハン川のデルタを形成するアダナ平野は灌漑地化が進み(約10万ha),トルコで最も重要な農業地帯。綿花(生産量はトルコ最大),小麦,かんきつ類などを産し,アダナはその重要な流通基地である。近年は上流のセイハン・ダムからの電力を利用した食品加工業,セメント,紡織,タバコなどの工業も発展しつつある。
執筆者:長場 紘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
トルコの小アジア半島南東部にある都市。アダナ県の県都。セイハン川、ジェイハン川のつくった肥沃(ひよく)な三角州、チュクルオバ平原に位置する。人口113万0710(2000)で、トルコ第五の都市である。トルコ最大のワタの産地であるチュクルオバ平原を控え、ワタのほか小麦、柑橘(かんきつ)類、野菜、果実などを集散する。付近のセイハン・ダムからの電力の供給を受け、綿紡織、綿実油、オリーブ油、セメントなどの工業も発達する。鉄道、道路交通の要衝で、空港もあり、イラクのバグダード、キプロスのニコシアへの国際航空便も発着する。古代にはローマ軍の基地が置かれ、その後衰退したが、782年にはアッバース朝のハールーン・アッラシードによって復興した。1515年にオスマン・トルコ領となった。市内には2世紀につくられた石造橋などの遺跡がある。東75キロメートルに、アレクサンドロス大王がペルシアのダリウス3世を破ったイッソスの戦いの跡がある。
[末尾至行]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加