アダナ(英語表記)Adana

デジタル大辞泉 「アダナ」の意味・読み・例文・類語

アダナ(Adana)

トルコ南部の工業都市トロス山脈の南、セイハン川ジェイハン川がつくる三角州に広がるチュクルオバ平原に位置する。周辺は肥沃な農業地帯であり、同国最大の綿の産地として知られる。古代ローマ時代、ポンペイウスにより建設され、その後衰退。8世紀にアッバース朝のハールーン=アッラシードにより再興した。16世紀初めよりオスマン帝国領。2世紀建造の石造橋や、16世紀初めに建造されたウルモスクがある。

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精選版 日本国語大辞典 「アダナ」の意味・読み・例文・類語

あだ‐な

  1. ( 形容詞「あだない」の語幹 ) あどけないこと。無邪気なこと。
    1. [初出の実例]「もまた其年も年なるに、あだなや親の懐そだちぞ」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)三)

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改訂新版 世界大百科事典 「アダナ」の意味・わかりやすい解説

アダナ
Adana

トルコ南部,地中海に注ぐセイハン河口から約50kmの左岸にある都市。同名県の県都。都市域人口118万7098(2003)。古くリュディア時代からアナトリアとメソポタミア地方を結ぶ交通の要衝として栄え,市内には史跡が多い。7世紀以降,ビザンティン帝国アラブ系・トルコ系諸王朝の係争の地となり,12~13世紀にはアルメニア人の国家もつくられた。セイハン川のデルタを形成するアダナ平野は灌漑地化が進み(約10万ha),トルコで最も重要な農業地帯。綿花(生産量はトルコ最大),小麦,かんきつ類などを産し,アダナはその重要な流通基地である。近年は上流のセイハン・ダムからの電力を利用した食品加工業,セメント,紡織,タバコなどの工業も発展しつつある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アダナ」の意味・わかりやすい解説

アダナ
あだな
Adana

トルコの小アジア半島南東部にある都市。アダナ県の県都。セイハン川、ジェイハン川のつくった肥沃(ひよく)な三角州、チュクルオバ平原に位置する。人口113万0710(2000)で、トルコ第五の都市である。トルコ最大のワタの産地であるチュクルオバ平原を控え、ワタのほか小麦、柑橘(かんきつ)類、野菜、果実などを集散する。付近のセイハン・ダムからの電力の供給を受け、綿紡織、綿実油、オリーブ油、セメントなどの工業も発達する。鉄道、道路交通の要衝で、空港もあり、イラクバグダードキプロスニコシアへの国際航空便も発着する。古代にはローマ軍の基地が置かれ、その後衰退したが、782年にはアッバース朝のハールーン・アッラシードによって復興した。1515年にオスマン・トルコ領となった。市内には2世紀につくられた石造橋などの遺跡がある。東75キロメートルに、アレクサンドロス大王ペルシアのダリウス3世を破ったイッソスの戦いの跡がある。

[末尾至行]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アダナ」の意味・わかりやすい解説

アダナ
Adana

トルコ南部,キリキア平原の奥部に位置する都市。同名県の県都。国内第4位の大都市。前 1400年にはアタニヤと呼ばれたヒッタイトの植民都市であったが,トロス山脈を越えてシリア平原にいたる道 (キリキアの門) にあったので,前 335~334年にはアレクサンドロス大王に征服され,7世紀末にはアッバース朝アラブの支配下に入り,1378年にラマザン朝トルクメンの建国までしばしば支配者を変え,1608年にオスマン帝国に組込まれた。アダナの繁栄は背後に多くの肥沃な谷を控え,さらにアナトリアとアラブとの通商路の橋頭堡を占めていたことによる。トルコ綿工業の中心地で,織物,セメント,農業機械,食物油を産する。イスタンブール-バグダード間の鉄道に沿い,地中海の港湾都市メルシンが近い。人口 91万 6150 (1990) 。

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百科事典マイペディア 「アダナ」の意味・わかりやすい解説

アダナ

トルコ南部,セイハン県の主都。綿花貿易の中心地で,周囲の平原は穀物,綿花,タバコを産する。紡績,タバコ,石鹸,オリーブ油などの工場がある。紀元前のリュディア王国時代から知られ,ローマ植民市でもある。古来アナトリアとシリアを結ぶ軍事上の要地であった。162万8725人(2012)。

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