精選版 日本国語大辞典 「あで」の意味・読み・例文・類語
あで
- 〘 副詞 〙 「なぜ(何故)」の変化した語。
- [初出の実例]「鰹船となりの浜につきぬとかアデわがせこは帰り来まさぬ」(出典:迦具土(1901)〈服部躬治〉)
ナイジェリアのミュージシャン。ヨルバ系ポピュラー・ミュージックであるジュジュの革新者。1960年代からジュジュにエレクトリック楽器を導入し、その後もシンセサイザーなどを用いたり、ロックやファンクといった要素を取り入れた。
総人口1億2000万人を超える多民族国家であるナイジェリアには、旧首都で大都市ラゴスのある西部(西部州)だけでも約1200万人のヨルバ人が住んでいる。ヨルバ文化は奴隷貿易とともにカリブ・ラテンアメリカ世界にも及び、新大陸のアフリカ系文化(カリブ海やブラジル北部)の最も強い要素の一つとなっている。現代のナイジェリアにおいてはヨルバ人はラゴスに集中し、文化人類学者はヨルバ人を「都市型民族」と分類することもある。アデらの音楽も、そうしたラゴスという都市のポピュラー・ミュージックといえる。ジュジュはもともとパーム・ワイン・ミュージックといわれるギターの弾き語りの音楽がもとになっている。1920年代には、ラゴスの巨大な人口に注目した、当時の宗主国であるイギリスの音楽産業により録音も開始される。ここから徐々にパーム・ワイン・ミュージックはジュジュへと進んでいく。ジュジュの語源はポルトガルのブラジル系の六角形の枠太鼓(タンバリン)を使う音楽「juju」からとも、ヨルバ語でダンスをさす「jojo」にあるともいわれる。
ワールド・ミュージックという言葉が出てくる以前、1980年代初頭には日本でもアデの存在は知られていた。イギリスのアイランド・レコードがレゲエのボブ・マーリィに続く存在を探しており、その白羽の矢が立ったのがアデで、彼の存在は広く知られることになった。またアフリカのなかでも大国であるナイジェリアの都市ポピュラー音楽の革新者として、アデは大きな注目を浴びた。
アデがつくりあげたジュジュは、より若い世代によって、フジ(アデが進めたジュジュに、さらに激しいビートを導入した。名前は日本の富士山からとられている)といった新しいポピュラー・ミュージックへと展開している。
単純に「アフリカ音楽」といっても、さまざまな音楽が存在するが、その巨大で多様性に満ちた音楽世界への入口の役目を果たした人物として、また、大都市ラゴスを拠点に活動し続けるアフリカ・ポピュラー音楽の代表的な存在として、アデの評価は色あせてはいない。
[東 琢磨]
『Simon Broughton, Mark Ellington, Richard TrilloWorld Music Vol.1; Africa, Europe and the Middle East(1999, The Rough Guides, London)』
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