アトランティック・マンスリー(読み)あとらんてぃっくまんすりー(英語表記)The Atlantic Monthly

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アトランティック・マンスリー
あとらんてぃっくまんすりー
The Atlantic Monthly

アメリカ合衆国の代表的な総合月刊雑誌。1857年ボストンの知識人の間に文学芸術政治の雑誌として創刊当初は命名者O・W・ホームズ編集長J・R・ローウェルを中心に、エマソンロングフェローホイッティアなど東部の錚々(そうそう)たる文学者が寄稿家に名を連ね、ニュー・イングランド文化の機関誌的な色彩が強かった。1871年にオハイオ州出身のW・D・ハウェルズが編集長になってからは、西部出身のマーク・トウェーンや、南部の作家たちにも幅広く紙面を提供し、全国的な雑誌となった。現在では、国際問題や時事問題にも積極的に取り組み、『ハーパーズ・マガジン』と並んで、アメリカの総合雑誌を代表する。

[渡辺利雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 の解説

アトランティック・マンスリー
Atlantic Monthly

1857年アメリカのボストンでJ.R.ローエル編集で創刊された月刊誌。誌名をつけた定期寄稿者O.W.ホームズのエッセー・シリーズ《朝食テーブルの独裁者》その他は好評を博した。はじめはニューイングランドを中心とした文芸雑誌の性格が強かったが,南北戦争のころから政治・時事問題を扱い,戦後はオハイオ生れのW.D.ハウエルズが主筆(1871-81)となり文化的広がりを与えた。20世紀に入ってからは文学的個性は少なくなり,時局ものに重きを置いている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アトランティック・マンスリー
The Atlantic Monthly

アメリカの雑誌。 1857年 11月ボストンの知識人たちによって創刊され,文学,芸術,政治を扱う。現存するアメリカの雑誌のうちで最古のものの一つ。 J.R.ローエルや W.D.ハウエルズらが編集長をつとめた時期もあった。初期の頃は,エマソン,ロングフェロー,ホーソーンら,ニューイングランドの作家たちが執筆していたが,ハウエルズの頃から,マーク・トウェーンや B.ハートらの作品も掲載されるようになった。 20世紀に入ると,ウィルソン大統領も執筆するなど,政経関係の記事も多くなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android