トルクメニスタン南部のアシガバート東方11kmにあり,先史から歴史時代にわたる3丘より成る遺跡。1904年にアメリカのパンペリー調査隊のH.シュミットが発掘し,北丘で3時期,南丘で1時期の文化層を認めた。北丘下層のⅠ期は新石器時代で,幾何学文の彩文土器,フリントの石器を使い,大麦・小麦栽培,牛・豚・羊・馬の飼育がおこなわれ,次のⅡ期は彩文が単色となり,フリントの鎌・錐があり,銅が初現し,上層のⅢ期に銅が一般化し,彩文にかわって刻文の土器が多用された。南丘上層はこれにつづくⅣ期で,鉄器時代。ろくろ製土器が用いられた。シュミットの発掘は発掘技術上難点があり,その結果とくにⅠ期を前9千年紀に当てるなど受容しがたい。1953年にS.A.エルショフが再発掘し,また近傍のナマーズガ・デペなどの発掘があり,イラン南部やインダス流域とこの地方との交流も次第に明らかにされつつある。
執筆者:桑山 正進
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