アミミドロ(読み)あみみどろ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミミドロ」の意味・わかりやすい解説

アミミドロ
Hydrodictyon reticulatum; water net

緑藻類クロロコックム目アミミドロ科の1種。しばしば水田など淡水中にみられる。その藻体は,長円筒形の細胞が各端で他の2細胞に接して六角網目をつくるように並んでいるので,この名がつけられた。各細胞は多核で網状の葉緑体をもつが,やがてその細胞内にそれぞれ小さな網目状の娘体を生じ,古い細胞膜は破れ,各娘体はそのまま伸びて新個体となる。ときに,細胞内容が分れて多数の2鞭毛を有する遊走子となり無性的にふえる。また同型の運動性配偶子を生じ,有性生殖をすることも知られている。接合子の発芽時の第1分裂によって減数しないので,この藻は倍数体であると考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミミドロ」の意味・わかりやすい解説

アミミドロ
あみみどろ
[学] Hydrodictyon reticulata Kütz

緑藻植物、アミミドロ科の淡水藻。鮮緑色で、小棍棒(こんぼう)状の単細胞体が四角形ないしは五角形の網目状に並び、これらの網目が縦横につながって、細いあるいは太い筒形糸になる体形をとる。初夏から初冬にかけて湖沼河川、水田、養魚池などに生育する。生育様相は一見アオミドロに似ているが、肉眼でも網目をなすことが識別でき、両種間の違いがわかる。

 なおアミミドロは、アオミドロほど普遍的ではない。

[新崎盛敏]

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