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遊走子 ゆうそうしzoospore

翻訳|zoospore

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遊走子
ゆうそうし
zoospore

藻類や菌類の無性生殖において生じる胞子のうち,鞭毛をもっていて水中を遊泳するもの。不動胞子に対していう。通常遊走子嚢 zoosporangiumという器官に生じる。藻菌類ミズカビ科のものには遊泳期の次に休止期を経て,脱皮して2次,3次の遊走子を生じるものもある。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうそう‐し〔イウソウ‐〕【遊走子】

藻類・藻菌類の無性生殖を行う胞子で、鞭毛(べんもう)をもち、水中を泳ぐもの。適当な場所に達すると固着し、鞭毛を失い、発芽して新個体になる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうそうし【遊走子 zoospore】

藻類や菌類の胞子のうち,鞭毛をもって運動性のあるもの。運動性の有無だけによって不動胞子aplanosporeと区別されているが,生活環中に占める位置については両者の間に差はない。また,陸上植物の胞子は不動胞子という呼び方はしない。遊泳を続けたのち,適当な基質に達すると定着して発芽し,配偶体をつくる。粘菌では胞子が発芽して遊走子となり,分裂増殖してからアメーバ状になり,それらが合着して変形体となる。ヒビミドロでは遊走子に雌雄の差があり,一つの胞子囊中に,4本の鞭毛をもった4個の大遊走子をもつ場合と,2本または4本の鞭毛をもった32個の小遊走子をもつ場合とがある。

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大辞林 第三版の解説

ゆうそうし【遊走子】

無性生殖をする胞子の一種で、鞭毛を有し、水中を運動する能力があるもの。藻類・藻菌類その他の下等な菌類などに見られる。動胞子。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊走子
ゆうそうし

生物の無性生殖細胞である胞子の一種。遊走子嚢(のう)内に形成され、鞭毛(べんもう)がある。一般に細胞壁がなく、水中を遊泳し、適当な基物に達すると静止し、鞭毛を捨てるか吸収して細胞壁を生じ、発芽すると通常は新個体となる。鞭毛には尾型と羽型がある。尾型鞭毛は全長の大部分が細胞質の鞘(さや)で包まれ、先端部が突き出ている。緑藻類の遊走子の前端には等長の尾型鞭毛2本があり、変形菌類では前端に長短各1本1組があり、ツボカビ類では後端に1本がある。羽型鞭毛は細い付属糸多数が左右に列生し、これが遊走子の前端に1本あるのはサカゲツボカビ類である。褐色植物、および卵菌類とラビリンチュラ類の遊走子には、羽型鞭毛と尾型鞭毛各1本1組が前端か側面にある。鞭毛の付属糸は電子顕微鏡で見られる大きさのものであるため、遊走子の図ではしばしば省略される。遊走子が発芽して遊走子を生ずること(2回遊泳性、多回遊泳性)もあるほか、一次遊泳期と二次遊泳期では形態が異なる二形性もみられる。[寺川博典]

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世界大百科事典内の遊走子の言及

【世代交代】より

… 藻類の世代交代には多くの型があるが,代表的な例を以下に述べる。緑藻植物のアオサでは,減数分裂を経て遊走子(鞭毛をもち,水中を泳ぐ胞子)をつくる複相の胞子体(無性世代)と,配偶子をつくる単相の配偶体(有性世代)が交代するが,両世代は同形同大である。褐藻植物のコンブの本体は複相の胞子体(無性世代)で,減数分裂を経て遊走子をつくる。…

【胞子】より


[さまざまな胞子]
 胞子には鞭毛をもった運動性の動胞子planosporeと,鞭毛をもたない非運動性の不動胞子aplanosporeがある。動胞子はふつう遊走子とよばれ,緑藻,褐藻,藻菌類などにみられる。藻類の遊走子はふつう眼点をもち走光性があり,藻菌類の遊走子は走化性がある。…

※「遊走子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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