アラワク(読み)あらわく(英語表記)Arawak

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラワク」の意味・わかりやすい解説

アラワク
あらわく
Arawak

南アメリカおよびカリブ海地域の先住民集団。広義にはアラワク語族に属する言語を話す数多くの集団の総称であるが、狭義には南アメリカ大陸カリブ海岸に住むロコノLoconoをさす。大アンティル諸島で最初に白人と接触したのはアラワクであったが、敵対していたカリブ系先住民およびスペイン人によってカリブ海地域からはほとんど駆逐されてしまった。現在のアラワクはアマゾン盆地周辺の広い地域に散在している。居住地は海岸(グアヒロGuajiro)、川の上流の熱帯雨林(カンパCampaなど)、草原(モホMojoなど)とさまざまであり、国家の力が及びにくい辺境の地が多い。定着して焼畑農耕を主たる生業としているが、狩猟漁労も重要である。カリブ海のアラワクを除いては、村を超える大きな単位の政治組織はなく、各村の首長権力もあまり強くない。ギアナのアラワクは食人を行ったといわれるが、アラワク全体に共通する特徴ではない。宗教においては、病気の治療を行うシャーマンが重要である。

[木村秀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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