改訂新版 世界大百科事典 「アリサザイ」の意味・わかりやすい解説
アリサザイ
antpipit
スズメ目アリサザイ科Conopophagidaeの鳥の総称。この科の鳥はアリサザイ属Conopophagaの8種からなり,すべて南アメリカに分布している。全長10~14cm。羽色は赤褐色,褐色,黒色,白色からなり,全体としてじみで小さい。どの種も,尾羽は体の割りに短く,脚はやや長めで,全体の感じはヤイロチョウ科の鳥を小型にしたようである。山地の森林内に生息し,おもに地上で活動して,小昆虫類やその他の無脊椎動物をとって生活している。枯葉や枯茎で深いわん形の巣を地面につくることが多く,1腹2個のクリーム色の卵を産む。しかし,彼らの生態については詳しいことはわかっていない。なお,ヒメアリサザイ類,マユアリサザイ類,シロボシアリサザイ類,ワキジロアリサザイ類,セアカアリサザイ類などはアリサザイ科ではなく,アリドリ科の鳥である。
執筆者:安部 直哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報