日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルザマス」の意味・わかりやすい解説
アルザマス
あるざます
Арзамас/Arzamas
ロシアのペテルブルグ(現、サンクト・ペテルブルグ)にあった文学サークル。1815年創立。名称はボルガ川上流に近い地方都市の名に由来する。軽快、典雅なフランス語法の導入によって、当時の貴族階級の会話体に近い新しい文語の創造を目ざしたカラムジンの支持者、ジュコフスキー、ビャーゼムスキー、バーチュシコフ、アレクサンドル・プーシキン、ワシーリー・プーシキン(前者の叔父)などが主要なメンバー。ときどき会合しては、反カラムジン派のデルジャービンやシシコフを中心とする『ロシア語愛好者談話会』(1911~1916)の文学者たちをからかったパロディーやエピグラムを朗読するのが彼らのおもな活動であった。1818年解散。
[木村彰一]