日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーチュシコフ」の意味・わかりやすい解説
バーチュシコフ
ばーちゅしこふ
Константин Николаевич Батюшков/Konstantin Nikolaevich Batyushkov
(1787―1855)
ロシアの詩人。古い家柄の貴族の家に生まれる。対ナポレオン戦争に参加、のち外交官としてイタリアに駐在。早くからアナクレオン風の軽妙な詩風の作品を書き、カラムジンの文章語改革を支持する「アルザマス会」(1815~18)の一員となる。生の悦(よろこ)びと悲哀を繊細に歌い上げた作品が多く、代表的な詩に悲歌(エレジー)『友の影』(1814)、『瀕死(ひんし)のタッソー』(1817)などがある。作品集に『詩と散文の試み』(1817)がある。ギリシア古典詩やバイロンの紹介にも功績があり、プーシキンの直接の先行者として知られる。1822年遺伝性の精神病のため活動を停止。
[中村喜和]
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