ペンザ(読み)ぺんざ(英語表記)Пенза/Penza

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペンザ」の意味・わかりやすい解説

ペンザ
ぺんざ
Пенза/Penza

ロシア連邦西部、ペンザ州の州都、工業都市。人口53万3300(1999)。プリ(沿)ボルガ丘陵西斜面、ペンザ川がスラ川に流入する地点に、1663年ロシアの南境を守る要塞(ようさい)が築かれた。その後、穀物取引の中心地となり、19世紀末から食品工業が発展し始めた。ロシア革命(1917)後のペンザの発展は、モスクワとプリボルガ、ウラルとを結ぶ通路にあたる有利な交通地理的位置にあるところから生じ、各種の工業が発展した。主要工業は機械(時計、ディーゼルエンジンコンプレッサー、軽工業、化学工業設備製造)、家具、食品工業である。工科、機械、教育、農業の各大学、美術館、人形劇場などの教育・文化施設も多い。鉄道、道路の分岐点で、空港がある。

[中村泰三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペンザ」の意味・わかりやすい解説

ペンザ
Penza

ロシア西部,ペンザ州の州都。ボルガ川沿岸丘陵西斜面,スラー川にペンザ川が流入する地点にある。 1666年ロシアの南境を守る要塞が建設されたことに始り,クリミア・タタール侵入がなくなったのち,この地域の農業中心地として発展,モスクワへ穀物を供給した。現在も農産物加工業が盛んであるが,工業の中心は機械工業 (時計,計算機,ディーゼルエンジン,コンプレッサ,医療器具,化学・繊維機械,自転車) で,ほかに家具,製紙,ピアノなどの工業がある。教育,工科,機械,農業の各大学,天文台,人形劇場,サーカス場,郷土博物館,美術館などの教育・文化施設がある。モスクワの南東約 550kmにあたる交通の要地で,鉄道,ハイウェーが分岐し,空港もある。人口 51万7137(2010)。

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