アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群(読み)アルル、ローマいせきとロマネスクようしきけんぞうぶつぐん

世界遺産詳解 の解説

アルル、ローマいせきとロマネスクようしきけんぞうぶつぐん【アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群】

1981年に登録された世界遺産(文化遺産)で、フランス南部プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方にある。この地がローマ帝国に征服されたのは紀元前2世紀末頃で、前1世紀に将軍ユリウス・カエサルによってアルルに植民都市が建設され商工業が発展した。アルルには次のアウグストゥス帝の代までに築かれた数々の建造物が残る。円形闘技場はローマ帝国領内最大で、外壁は長径約136m、短径約107m、高さ21m、上下各層には60のアーチが連なり、2万5000人を収容した。8000人収容のローマ劇場、床下暖房装置を備えた4世紀建造のコンスタンティヌス帝の公共浴場、エジプト由来のオベリスクなども帝国の繁栄を物語っている。アルルに大司教座が置かれた後、11~12世紀に建造されたサン・トロフィーム聖堂はロマネスク様式の水準の高さを誇っており、古代ローマの凱旋門を模した正面扉口や回廊の柱などには微細に彫り込まれた彫刻装飾が見られるなど、古代と中世の遺構群が持つ文化的価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はArles, Roman and Romanesque Monuments

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

百科事典マイペディア の解説

アルル,ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群【アルルローマいせきとロマネスクようしきけんぞうぶつぐん】

フランスの南部,ローヌ川デルタの頂点に位置するアルルは,古代にはローマ帝国属州の中心で,市内には野外劇場や円形競技場をはじめ多数の当時の遺跡があり,フランスにおける古代ローマ時代の遺跡の最大の宝庫といわれる。また市街の中心にある11〜12世紀に建てられたサン・トロフィム教会は回廊の見事な石造彫刻で知られ,フランスの代表的ロマネスク様式の教会の1つといわれている。1981年世界文化遺産に登録。

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