日本大百科全書(ニッポニカ) 「アロワナ」の意味・わかりやすい解説
アロワナ
あろわな
arowana
[学] Osteoglossum bicirrhosum
硬骨魚綱オステオグロッスム目オステオグロッスム科に属する大形淡水魚。アマゾン川流域とギアナ地方の川の一部に分布し、流れの緩やかな所にすむ。名は原産地の呼び名である。全長1メートルに達し、体は細長く、側扁(そくへん)する。口は大きく、斜め上を向き、下あごの先端に2本のひげがある。背びれと臀(しり)びれは低くて長い。鱗(うろこ)は大きい。体色は銀色、美しい虹色の輝きがある。原始的な形態的特徴をもつ硬骨魚で、卵を口の中で孵化(ふか)するマウスブリーダー(口中哺育魚(ほいくぎょ))としても有名である。孵化した仔魚(しぎょ)はオレンジ色の大きな臍嚢(さいのう)をもつ。肉食性。観賞用に飼育され、適水温は25~30℃、水質は弱酸性から中性がよい。近似種にリオ・ネグロ産のブラックアロワナOsteoglossum ferreiraiがある。同科の他属に東南アジアやオーストラリア産のスクレロパゲスScleropages、アフリカ産のヘテロティスHeterotisがあり、熱帯魚市場ではいずれもアロワナの名でよばれている。
[多紀保彦]