アンセム

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百科事典マイペディア 「アンセム」の意味・わかりやすい解説

アンセム

17世紀以降の英国国教会で,モテット役割をもつ合唱作品。歌詞は非典礼的な英語のものに限られたが,次第に変化してラテン語のものも含まれるようになり,音楽的にも器楽の役割が増大して,カンタータに近づいたものもある。→キリスト教音楽
→関連項目パーセルバード

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンセム」の意味・わかりやすい解説

アンセム
anthem

16世紀なかば以降イギリス国教会 (聖公会) の礼拝式に用いられる合唱曲。聖書あるいは他の宗教的なテキストからとられた英語のテキストに作曲され,ローマ・カトリック教会で用いられるモテトに似た役割をもっていたが,17世紀以降のものはカンタータに似る。合唱だけで歌われるものはフル・アンセム,ソロパートを有するものはバース・アンセムと呼ばれる。パーセル,ヘンデル,S.S.ウェスリー,R.ボーン・ウィリアムズらの作品が有名。

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世界大百科事典(旧版)内のアンセムの言及

【キリスト教音楽】より

…ただし,他の宗教にも数多くの宗派宗旨があるように,キリスト教にも,カトリックとプロテスタントの二大教会の別があり,それぞれの内部に数多くの教派があって,音楽的伝統も一様ではない。芸術的に見た場合,それらの中でとくに重要なのは,パレストリーナやベートーベンのミサ曲によって代表されるローマ・カトリック教会,バッハのカンタータや受難曲によって代表されるルター派のドイツ福音主義教会,パーセルのアンセムやヘンデルのオラトリオによって代表される英国国教会,ボルトニャンスキーの教会コンチェルトによって代表されるロシア正教会などである。 イエス・キリストの生涯を書き記した新約聖書の福音書には,ただ1ヵ所だけ音楽に言及した個所がある。…

※「アンセム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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