ドイツの教育学者ペーターゼンP. Petersen(1884―1952)がドイツのイエナ大学(正称フリードリヒ・シラー大学)付属学校で実施した学校改革案。彼はこのプランを、1927年スイスのロカルノで開かれた新教育連盟の第四会議の席上で発表した。イエナ・プランの中心思想は、生活協同社会学校の理念に基づいており、19世紀の伝達的・知識主義的教育からの脱皮をねらったものである。学校は生活学校として、学校と生活の間の緊張を調停すべきであり、学校は協同社会学校である必要があるという。当時の児童の50%が義務教育の期間中に1、2回はつまずくといった事実が、ペーターゼンに学年別学級の教育の行き詰まりを感じさせたのである。
子供たちは、1~3学年が低学年集団、4~6学年が中学年集団、7・8学年が高学年集団、9・10学年が青年集団に所属する。幅をもった年齢、そこからくる学力の差は、その集団の成員の活発な学習活動を促し保証する。一定の課題に共同して、また生き生きと取り組む、張り詰めた気持ちが子供たちの間にみなぎる。部分的であるにせよ、こうした無学年制の導入、そしてまた集団学習の重視を特徴とするイエナ・プランは、今日の日本の学習集団、教授組織の諸問題に貴重な示唆を与えている。
[大谷光長・宮寺晃夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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