イオアニナ(読み)いおあにな(英語表記)Ioánnina

デジタル大辞泉 「イオアニナ」の意味・読み・例文・類語

イオアニナ(Ioannina/Ιωάννινα)

ギリシャ北西部、イピロス地方の都市。イオアニナ湖西岸に位置する。6世紀のユスティニアヌス1世により創建。続いてノルマン人ビザンチン帝国、オスマン帝国の支配下に置かれた。18世紀後半から19世紀にかけて、アルバニア出身のオスマン帝国の総督アリ=パシャ権勢の下、国際的商業都市として発展した。市街にはイスラム寺院やアリ=パシャが築いた要塞があるほか、近郊ペラマ洞窟ドドニ遺跡などがある。銀細工、フェタチーズが有名。ヨアニナヤニナ

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改訂新版 世界大百科事典 「イオアニナ」の意味・わかりやすい解説

イオアニナ
Ioánnina

ギリシア西部の町。ピンドス山中イオアニナ(パンボティス)湖の西岸に位置する。人口4万5000(1981)。近郊では牧畜と,穀物やタバコが生産され,町はまた銀細工でも知られる。町の名は11世紀に創設されたバプテスマヨハネの名を冠した修道院に由来する。18世紀後半,オスマン帝国の地方官でありながら,たびたび本国に反抗してこの地方を独立国のごとく支配した英傑アリー・パシャの本拠地として栄えた。湖に突出した岬の上にかつての城砦がある。1913年以降ギリシア領。町の博物館は古典期から近代に至る遺物を多く収めている。また湖の中には島が一つあって,いくつもの修道院が点在している。ゼウスの神域として古来有名なドドナ遺跡はこの町の南西20kmにある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イオアニナ」の意味・わかりやすい解説

イオアニナ
いおあにな
Ioánnina

ギリシア北西部、エピルス地方北部のイオアニナ県の県都。ヨアニーナ、ヤニナYannina, Janinaともよばれる。人口7万0203(2001)。エピルス地方のほぼ中央に位置する交易の中心地で、イオアニナ湖(古名パンボティスPanbotis湖)西岸にある。穀物、果樹、ぶどう酒の取引が行われるほか、織物、金属製品などが生産される。6世紀初頭に建設され、11世紀にノルマンの占領を経て、15世紀よりオスマン・トルコ帝国の支配下に入る。18世紀より19世紀初頭にかけて、ギリシア独立運動の先駆者であるアルバニア出身の土豪アリ・パシャの居住地となり、国際的商業都市として一時大いに繁栄した。1913年よりギリシア領。城塞(じょうさい)に囲まれバザールやモスクのある市街は、オリエント的な趣(おもむき)をもつ。

[真下とも子]

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