南アフリカ原産のアヤメ科半耐寒性の小球根植物。現在一般に栽植されている園芸品種の多くは,原種が複雑に交配されたものであるといわれている。高さ数十cm~1m,剣状の葉を有する。花は多数が直立する花茎に穂状につき,漏斗状や杯状。直径3~4cm,花被片は6枚。5月ごろに咲き,花色はいろいろ。おもな原種は,花の色が黄色で中心に黒斑のあるヤリズイセンI.maculata L.,青色で中心に紅紫斑のあるイキシア・モナデルファI.monadelpha Delar.,淡黄色のイキシア・パニクラタI.paniculata Delar.,淡青緑色で中心に黒斑のあるイキシア・ビリディフロラI.viridiflora Lam.などがあるが,この属の植物は種間相互に交雑し,多くの園芸品種が育成されている。栽培は霜の降りない日当りのよい乾燥気味の肥沃な土地がよく,11月中ごろに植える。4cm平方に1球くらいを植え込む。花が終わって茎葉が枯れかかったら掘り上げ,日陰で乾燥貯蔵する。
執筆者:川畑 寅三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アヤメ科(APG分類:アヤメ科)の秋植え球根草。南アフリカ原産でヤリズイセンともいう。数種の原種が交雑されてつくられた園芸種で、日本で栽培するのはオランダからの導入種。球根は径約2センチメートルと小さく、葉は細い剣状で長さ15~30センチメートル。4~5月、花茎を30センチメートルほど伸ばし、先端に6~8個の小花を穂状に開く。花色は赤、黄、紫、桃、白と変化に富み、夜間や曇天の際は花を閉じる。花壇用、鉢植え、切り花用とする。9~10月、5号鉢に5~7球植え、フレーム内で越冬させるが、暖地では戸外でも越冬する。花壇では10~11月に植え付ける。花期後、葉が枯れたら球根を掘り上げ、よく乾かして貯蔵する。繁殖は分球による。
[岩井英明 2019年5月21日]
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