いるか座(読み)いるかざ

改訂新版 世界大百科事典 「いるか座」の意味・わかりやすい解説

いるか(海豚)座 (いるかざ)
Delphinus

略号Del。天の川に面した小星座イルカギリシア神話では海神ポセイドンの使いで,逃げ去った海神の愛妻アンフィトリテをさがし出した功績で星座になったという。α星は実視等級3.9等,スペクトル型はB8,β星は3.7等,スペクトル型はF3である。αβγδの形から〈ひし星〉の和名もある。概略位置は赤経20h35m,赤緯+12°。午後8時の南中は9月下旬である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「いるか座」の意味・わかりやすい解説

いるか座
いるかざ / 海豚座

わし座の1等星アルタイルのすぐ東に見られる星座。3個の4等星と1個の5等星が小さな菱(ひし)形を描いており、夏の終わりのころの宵に南の空高く昇る。トランプのダイヤ形に並んだこの形は、西洋では聖書に出てくる「ヨブの柩(ひつぎ)」、アラビアでは「乗用のラクダ」、中国では「瓠瓜(ほうか)」つまり「瓜(うり)の畑」、日本では「菱星(ひしぼし)」などとよばれて古くから親しまれていた。菱形北東の角(かど)にあるγ(ガンマ)星は色の美しい二重星で、小口径の望遠鏡で楽しめる。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「いるか座」の意味・わかりやすい解説

いるか座
いるかざ
Delphinus

海豚座。わし座の東,赤経約 20時 35分,赤緯約 12゜にある小星座で,9月下旬の宵に南中する。4つの4等星が小さなひし形をつくり,和名は菱星 (ひしぼし) である。γ星は光度 4.5等と 5.5等,スペクトル型 K1と F6の二重星。ギリシア神話では,楽人オリオンが船中で危難にあい海中に飛込んだとき彼を救ったのがこのいるかとされている。

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百科事典マイペディア 「いるか座」の意味・わかりやすい解説

いるか(海豚)座【いるかざ】

9月上旬,銀河の西に見える小星座。4個の3,4等星が小さなひし形をつくる。和名ひし星。

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