茎や枝の生長点の細胞が突然変異を起こし,もとの茎や枝とは異なった果実,花,葉などをつけるようになることをいい,芽条変異ともいう。果樹や花では,有用な性質を持った枝変りが現れると,接木や挿木などで増殖し,新しい品種として利用する。果樹ではかんきつ類に枝変りによってできた品種が多く,ウンシュウミカンから早生ウンシュウ,ナツミカンから川野ナツダイダイ,イヨカンから宮内イヨが生まれている。また,リンゴのスターキングデリシャスはデリシャスの枝変りによってできた品種である。花には枝変りでできた品種が数多くあり,バラ,キク,チューリップなどは,現在の品種のうち30%近くが枝変りによるものといわれている。近年では新品種育成のために,放射線を照射するなどして,人為的に枝変りを起こさせようという試みもなされている。なお,草花などで同一個体上に色または形の異なった2種類の花をつけることを咲分けという。
執筆者:杉山 信男
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