枝変り(読み)エダガワリ

デジタル大辞泉 「枝変り」の意味・読み・例文・類語

えだ‐がわり〔‐がはり〕【枝変(わ)り】

芽の生長点細胞が突然変異を起こし、それから生じた枝全体が、他と異なる形質をもつようになること。芽条がじょう変異。
[類語]小枝若枝わかえ若枝わかえだ・痩せ枝・枯れ枝・徒長枝・万朶粗朶枝葉枝振り

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改訂新版 世界大百科事典 「枝変り」の意味・わかりやすい解説

枝変り (えだがわり)
bud mutation

茎や枝の生長点の細胞が突然変異を起こし,もとの茎や枝とは異なった果実,花,葉などをつけるようになることをいい,芽条変異ともいう。果樹や花では,有用な性質を持った枝変りが現れると,接木挿木などで増殖し,新しい品種として利用する。果樹ではかんきつ類に枝変りによってできた品種が多く,ウンシュウミカンから早生ウンシュウ,ナツミカンから川野ナツダイダイ,イヨカンから宮内イヨが生まれている。また,リンゴのスターキングデリシャスはデリシャスの枝変りによってできた品種である。花には枝変りでできた品種が数多くあり,バラ,キクチューリップなどは,現在の品種のうち30%近くが枝変りによるものといわれている。近年では新品種育成のために,放射線を照射するなどして,人為的に枝変りを起こさせようという試みもなされている。なお,草花などで同一個体上に色または形の異なった2種類の花をつけることを咲分けという。
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百科事典マイペディア 「枝変り」の意味・わかりやすい解説

枝変り【えだがわり】

植物の変異の一形態で,茎や枝の生長点の細胞に突然変異が起こり,樹木などの一部が変わった性質となること。花が一重から八重になったり,咲き分けたり,葉型が変化したり,斑入(ふいり)葉を生じたりする現象が多い。有用な枝変りが現れると接木や挿木で増殖し,バラ,キク,チューリップをはじめとした花や,ミカン,リンゴなどの果樹で多くの新品種が作られている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「枝変り」の意味・わかりやすい解説

枝変り
えだがわり
bud variation; bud mutation

芽条変異ともいう。植物体の一部,ある枝の生長の初期に,その部分体細胞突然変異を起して,モザイク状に変異部分が生じるもの。果樹の場合には変異部分の枝を接木 (つぎき) して,新しい品種を得ることができるので有用。ナシの「二十世紀」などの例がある。

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