インド国民軍(読み)インドこくみんぐん(英語表記)Indian National Army

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インド国民軍」の意味・わかりやすい解説

インド国民軍
インドこくみんぐん
Indian National Army

第2次世界大戦中,インド武力解放を目指して組織された軍隊。同大戦で,イギリスはインド人民の意志を問うことなく,インドをみずからの戦争体制に組込んだ。これに対しインド国民会議派のうち,M.ガンジー,J.ネルーなどは対英非協力の態度をとったが,左派領袖 S.C.ボースなどは,日本の武力に頼りインド独立をはかった。一方,日本は対印工作の中心にこうしたインドの独立運動をおき,1942年6月 15日バンコクに日本占領地域内のインド人代表を集めてインド独立大会を開催。日本軍に投降した英印軍のインド人将兵を中核に,インド国民軍を結成。 43年ボースが亡命先のドイツからシンガポールに着くと,独立運動の主導権はボースに譲られ,10月 21日ボースを主席とする「自由インド仮政府」が樹立された。ボースはまた国民軍の最高司令官としてその強化に力を注ぎ,44年3月日本軍のインパール作戦に参加したが,国民軍は 45年4月までにほとんど壊滅状態となった。戦後イギリスは同軍の最高幹部3人だけを軍法会議に付し,イギリス国王に対する反逆の罪で終身刑判決を下したが,民衆の激高で暴動状態が広がったため,46年1月3日に3人を釈放した。

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