インノケンチウス4世(読み)インノケンチウスよんせい(その他表記)Innocentius IV

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インノケンチウス4世」の意味・わかりやすい解説

インノケンチウス4世
インノケンチウスよんせい
Innocentius IV

[生]12世紀. ジェノバ
[没]1254.12.7. ナポリ
ジェノバ出身の第180代教皇在位 1243~54)。本名 Sinibaldo Fieschi。ボローニャ教会法を学び,教皇グレゴリウス9世により 1227年に司祭枢機卿(→カーディナル)に叙任される。ケレスチヌス4世没後,1年半の空位ののち 1243年6月に教皇に選出された。インノケンチウス3世の方針を受け継ぎ,教会の自由と教皇権伸長のため神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世と激しく闘った。皇帝の勢力にローマを追われリヨンに逃れたが,1245年に開いたリヨン公会議でフリードリヒ2世の破門と廃位を決議。1250年に皇帝が死去したのをうけ,1253年ローマに帰還した。その後もホーエンシュタウフェン朝に対する闘いを続け一時勢力を得たが,1254年にフリードリヒ2世の庶子マンフレート反乱に敗れ,まもなく死去した。ヨーロッパの外にも目を向け,モンゴル帝国へジョバンニ・デ・ピアノ・カルピニを公式使節として送るなど,各地に布教団を派遣したことでも知られる。

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