デジタル大辞泉
「ウェーバー器官」の意味・読み・例文・類語
ウェーバー‐きかん〔‐キクワン〕【ウェーバー器官】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ウェーバー器官 (ウェーバーきかん)
Weberian apparatus
コイ目(コイ,オイカワ,ドジョウ,カラシンなど)およびナマズ目(ナマズ,ギギなど)の魚類にみられ,うきぶくろと内耳との間に介在する4個の小骨片と,これらを内耳につなぐ付属構造とからなる聴覚器官。小骨片の大部分は第1~3脊椎骨に付属する骨が変形したものであるが,一部は結合組織から骨化したもので,各骨片は靱帯によって鎖状に連結する。後端にある骨片はうきぶくろの外壁に接し,前端にある骨片は内リンパ洞を通して内耳の小囊の壁へ連絡している。水中音を受けて鰾壁(ひようへき)に生じる振動は,この伝達経路を経て内耳へ伝わるので,この器官を備える魚類は他の魚類に比べて音に対して著しく敏感である。発見者ウェーバーE.H.Weber(1795-1878)の名をとって,この名がつけられている。
執筆者:岩井 保
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ウェーバー器官
うぇーばーきかん
Weberian apparatus
硬骨魚類のコイ類(コイ、フナ、ナマズ、ウナギなど)では、椎骨(ついこつ)の前端3個から突起が生じ、変形してウェーバー小骨という骨片になる。3個のウェーバー小骨が連なったものがウェーバー器官で、発見者であるドイツの生理学者E・H・ウェーバーの名をとったこの器官は、うきぶくろと内耳とを連絡し、哺乳(ほにゅう)類の耳小骨と同じ働きをする。うきぶくろに生じた圧変化は、ウェーバー器官を介してリンパ管内の運動に変わり、球状嚢(のう)内の繊毛を動かし、聴覚を生じる。
[川島誠一郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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