ウェーバー器官(読み)うぇーばーきかん(英語表記)Weberian apparatus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェーバー器官」の意味・わかりやすい解説

ウェーバー器官
うぇーばーきかん
Weberian apparatus

硬骨魚類コイ類(コイ、フナナマズウナギなど)では、椎骨(ついこつ)の前端3個から突起が生じ、変形してウェーバー小骨という骨片になる。3個のウェーバー小骨が連なったものがウェーバー器官で、発見者であるドイツの生理学者E・H・ウェーバーの名をとったこの器官は、うきぶくろ内耳とを連絡し、哺乳(ほにゅう)類の耳小骨と同じ働きをする。うきぶくろに生じた圧変化は、ウェーバー器官を介してリンパ管内の運動に変わり、球状嚢(のう)内の繊毛を動かし、聴覚を生じる。

[川島誠一郎]

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