ウォートルス(読み)うぉーとるす(英語表記)Thomas James Waters

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォートルス」の意味・わかりやすい解説

ウォートルス
うぉーとるす
Thomas James Waters
(1842―1898)

イギリスの建築家、技師幕末から明治初期の日本に洋風建築を持ち込んだ最初の一人として重要な存在であるが、その経歴の詳細は明らかにされていない。1865年(慶応1)以前に妻と弟のアルバートJohn Albert R. Waters(1846―1902/1903)とともに来日したことなどが伝えられるのみである。しかし開国期の日本で果たした功績は大きく、来日以来、砂糖、紡績洋紙などの各種洋式工場、大阪造幣寮の建築群をはじめ、竹橋陣営、イギリス公使館の建設に従事した。さらには日本最初のれんが造りによる商店街として銀座赤れんが街を計画、れんが製造のためホフマン式輪窯(わがま)を小菅(こすげ)村(現、東京都葛飾(かつしか)区小菅)に築いた。

村松貞次郎・藤原恵洋 2018年8月21日]

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