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御雇外国人 おやといがいこくじん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

御雇外国人
おやといがいこくじん

日本の近代化に貢献すべく招聘された欧米先進国の専門家たちのことで,広義には日本政府のみならず,日本の民間機関に雇われた人々まで含む。その職種は,政策顧問,教師,技術家などに分類される。活動の時期は安政年間 (1854~60) にさかのぼるが,おもに明治維新以降,1900年頃までが最盛期であった。明治政府の「富国強兵」政策は,ほとんどあらゆる側面で実質的に西洋化政策の実施であり,したがって欧米専門家たちの協力が切望された。他方,欧米列強にとっても,日本の近代化は通商の拡大につながるので,各国政府や駐日現地当局は,意欲的に日本政府の人選依頼に応じた。この結果,政治,法制,軍事教育,産業技術,財政金融,文化,自然科学,医学など各分野に長じた専門家グループが各国から少くとも 800人以上にのぼり明治政府に続々と雇用された。彼らは,あるいは助言者として憲法制定や重要政策,文書の立案,作成など,国政の枢機にたずさわり,あるいは教育家として東京大学そのほか主要教育機関で各専門分野の学術を指導,開発し,あるいは技術家として産業,工業技術を日本に移植した。彼らのうち,日本政府から大臣・高官並みの俸給を受けた者も少くなかったが,それだけに専門家としての質も平均して高く,日本の近代化を促進させる熱意と使命感も概して強かった。また,彼らのもつ知識,技術は効率よく日本側エリート官僚,学生らにより摂取されたので,日本の西洋化は急激に早まった。反面,彼らの役割があくまで使用人,助言者の域にとどまったので,西洋文明の創造性や本質は,日本に定着しなかった。

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デジタル大辞泉の解説

おやとい‐がいこくじん〔おやとひグワイコクジン〕【御雇外国人】

明治初期、西洋の技術・学芸を摂取するため、官公庁・学校などで雇った外国人

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百科事典マイペディアの解説

御雇外国人【おやといがいこくじん】

明治初めの文明開化期,富国強兵殖産興業政策のもとで,西洋の学問・技術の移入,政治・経済上の国内諸制度の整備のために,政府や民間企業が指導者として雇用した外国人。

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とっさの日本語便利帳の解説

御雇外国人

明治初期、政治、経済、技術、軍事、教育など広い分野にわたり、知識・技術導入のために政府や民間の機関に雇われた外国人のこと。先進国の知恵事例に学びつつ、日本社会の現実に応じた制度や運用方式を編み出していく上で欠かせぬ人材だった。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

おやといがいこくじん【御雇外国人】

日本の近代化過程において,幕府や諸藩あるいは明治維新後の文明開化時代に,政府や民間会社などが欧米の先進文化を移入するために,各部門にわたって指導者として雇用した外国人をいう。その部門は,政治,法律,軍事,外交,経済,金融,諸産業,交通,教育,学問,芸術など広範囲にわたっている。御雇外国人のもっとも早いものとしては,幕末期に幕府や薩摩藩近代産業をおこすために,オランダイギリス,フランスから招いた数人の技術者であるが,外国人の雇用は明治政府が富国強兵・殖産興業政策をすすめる過程で本格化し,1874‐75年ころ頂点に達し,政府雇用者だけで520名を数えた。

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大辞林 第三版の解説

おやといがいこくじん【御雇外国人】

幕末から明治前期、欧米の学問・技術・産業・政治制度などを急速に取り入れるため政府が雇った外国人。アトキンソン(英)・ボアソナード(仏)・ベルツ(独)・クラーク(米)・ロエスレル(独)などが有名。

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