銀座(読み)ぎんざ

精選版 日本国語大辞典「銀座」の解説

ぎん‐ざ【銀座】

[1] 〘名〙
① 慶長六年(一六〇一)五月徳川家康によって取り立てられた銀貨鋳造所。官営ではなく、銀座として特許された町人一団によって組織されていた。実際に銀貨を鋳造していたのは、伏見から移した京都銀座と、駿府(静岡市)から移した江戸銀座であった。
※銀座書留(江戸中‐後)「慶長十七子年、於江府銀座取建可申旨、被為仰付」
※西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉初「総て紙幣及び手形は政府の銀坐より出だす」
[2]
① 東京都中央南西部の地名。京橋から新橋に至る街路を中心に一丁目から八丁目まで分かれ、俗に銀座八丁という。地名は、江戸時代慶長一七年(一六一二)に、駿府から移された(一)①がこの地に置かれたことに由来する。古くは新両替町、現在は日本の代表的な繁華街
② 比喩的に、通行量の多い場所の名に用いる。「船の銀座」「アルプス銀座
[補注](二)(一)にあやかり、全国に銀座の名の付く繁華街・商店街がある。「砂町銀座」「戸越銀座」のように地名を冠した「…銀座」も多い。

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百科事典マイペディア「銀座」の解説

銀座【ぎんざ】

東京都中央区銀座1丁目から8丁目までの地区。外堀や三十三間堀に囲まれていたが埋め立てられ,四周に高速道路が通じる。1612年銀座の設置以来発達,1873年―1877年旧東海道筋に日本最初の洋風煉瓦街ができ,鉄道馬車が通じて柳並木の銀座八丁繁華街が完成(柳は1968年伐採)。関東大震災で焼失したが,その後は4丁目角(尾張町)を中心に百貨店,カフェー,喫茶店が集中,名物の夜店もにぎわった。第1次大戦後〈銀ぶら〉という言葉が生まれ,昭和初期から銀座の名をつけた地方都市の商店街が多くなった。1970年日本初の〈歩行者天国〉が実施された。現在は数寄屋橋築地を結ぶ晴海通りも発展している。JR有楽町,新橋両駅に近く,地下鉄銀座駅,東銀座駅,銀座1丁目駅がある。服部時計店,三越などのデパートがある。
→関連項目京橋中央[区]

銀座【ぎんざ】

江戸時代の銀貨(丁銀豆板銀)の鋳造発行所。1601年(慶長6年)に徳川家康が伏見銀座を創設し,1606年駿府にも設置。その後慶長年間に,銀座は江戸(1612年駿府から移転),大坂,京都(伏見から移転),長崎の4ヵ所に置かれたが,実際に鋳造を行っていたのは江戸・京都の2ヵ所で,1800年(寛政12年)からは江戸銀座だけでの鋳造となった。鋳造は元堺の町人で銀吹手に任じられた大黒常是(だいこくじょうぜ)家が独占的に請け負い,銀貨には大黒印が極印された。金座と同様,1869年(明治2年)廃止。
→関連項目銀座後藤庄三郎末吉孫左衛門銭座鉄座銅座

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「銀座」の解説

銀座
ぎんざ

東京都中央区南西部の地区。日本を代表する繁華街。1~8丁目まである。 JR有楽町駅,新橋駅,首都高速都心環状線に囲まれた地域にあたる。徳川家康の江戸入城後埋立てにより商業地となった。地名は駿府の銀座 (銀貨鋳造所) を江戸のこの地へ移したことに由来。明治以後は浅草と並んで東京下町の繁華街として発展。高級専門店,デパート,高級飲食街を形成し,東京の流行をつくる町ともなった。関東大震災,第2次世界大戦で焼土と化したが復興し,東京の都心商店街となった。大戦後,外堀や三十三間堀なども埋立てられ,高層ビル,高速道路の建設が進んだ。しかし東京の拡大とともに,新宿,渋谷六本木青山などが発展して,昔日の圧倒的地位は相対的に低下している。

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デジタル大辞泉「銀座」の解説

ぎん‐ざ【銀座】

江戸幕府の銀貨鋳造所。勘定奉行の管轄下にあった。慶長6年(1601)伏見に設けられ、のち駿府・京都・江戸・大坂・長崎に移転したり新設されたりしたが、その後江戸に統合された。明治2年(1869)造幣局の設置に伴い廃止。
《慶長17年(1612)から寛政12年(1800)までがあったところから》東京都中央区の地名。京橋の南から新橋の北に至る中央通りの東西に沿う地域で、日本を代表する繁華街。また、全国各地の繁華街や人通りの多い場所、ある物が集中する場所の名に付けて用いる。「アルプス銀座」「台風銀座

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旺文社日本史事典 三訂版「銀座」の解説

銀座
ぎんざ

江戸時代の銀貨鋳造所
1601年伏見に設けたのが最初で,'08年京都に移した。同じころ駿府(のち江戸に移す)・大坂・長崎にも設けたが,1791年一時廃止され,江戸のみ再興。大黒常是 (じようぜ) 家が代々御銀改役(長官)を世襲し,勘定奉行の支配のもと丁銀・豆板銀などの銀貨を鋳造した。明治維新後に廃止された。

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世界大百科事典 第2版「銀座」の解説

ぎんざ【銀座】

東京都中央区南西部にある繁華街。東京あるいは日本を代表する高級商店街として世界的に知られる。行政地名としての銀座は中央通り(かつての銀座八丁で,銀座通りともいう)をはさむ広い範囲に及んでいる。交通便がよく,近くにホテル劇場,映画館も多い。銀座の名の起りは,1612年(慶長17)幕府の銀貨鋳造所,すなわち銀座を駿府からこの地(現在の銀座2丁目)へ移したことに始まる。町屋の発達につれて,この一画が銀座町と呼ばれるようになった。

ぎんざ【銀座】

江戸幕府の銀貨鋳造所をいう。金座が本来は小判,一分金の鋳造所であったのと同様に,銀座も本来は秤量貨幣としての丁銀(ちようぎん),豆板銀の鋳造所であった。はじめは幕府の留守居年寄に,1689年(元禄2)からは勘定奉行に属した。銀座が徳川氏によって山城の伏見にはじめて設立されたのは1601年(慶長6)であった。関西では室町時代末期から各地の港町や諸都市で極印灰吹(ごくいんはいふき)銀が流通していたが,これは,銀産地のいかんによって,また同じ銀産地のものでも,極印のいかんによって品位が異なっていたから,諸国商人の間での取引の不自由争論を免れることができなかった。

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世界大百科事典内の銀座の言及

【ガス灯】より

…これが日本におけるガス灯の初めである。同じ年,東京でも府知事の由利公正によってガス灯を新吉原遊郭内に試用しようとする企てがなされたが,これは実施をみずに終わり,73年の銀座れんが街の建設に伴って,ようやくガス街灯の建設が実現した。東京会議所は西村勝三,ペレゲレンらをして建設事業にあたらせたが,翌74年7月から街灯建設が行われ,同年12月18日はじめて京橋と金杉橋の間に85基のガス街灯が点火された。…

【東京[都]】より

…さらに政府は諸外国に対して東京の開市を宣言し,東京が商業(貿易)都市ではなく,首都つまり政治都市として発足する方針をとった。明治初期の東京では,欧米諸国の要請により,1867年(慶応3)に幕府が指定した築地居留地が整備され,72年2月銀座・築地地区の大火後,この地区に煉瓦造の洋風市街地が建設され,大通りの道幅も広げられた。同年9月,新橋~横浜間に開通した鉄道(現,東海道本線の一部)は,首都の表玄関と日本最大の開港場とを連結した。…

【並木】より

…しかし,中世の都市や近世の城下町などでは,寺院・神社の境内や参道に並木があり,郊外の名所に桜並木などがあるものの,中心部の街路沿いに並木がつくられた例はないようである。1872年(明治5)の東京築地一帯の大火後の銀座煉瓦街建設にともない,銀座大通り両側に松,桜,楓(かえで),柳などが植えられたのが,近代日本の都市景観を整える街路樹としての並木の早い例で,以後,各地の都市の主要街路に並木が見られるようになった。銀座大通りの並木は,その後,明治中ごろに全部柳となり,銀座が繁華街となるにつれ名物となるが,1921年の歩道幅縮小の際に引き抜かれて銀杏(いちよう)並木に変わる。…

【貨幣】より

…安土桃山時代には豊臣秀吉が各種の金銀貨を鋳造し,これを軍資金とした。 江戸時代には徳川家康が1601年(慶長6)に幣制を統一し,金座銀座銭座を設けて金銀銭貨を鋳造し,この三貨を全国通用の正貨とした。金貨には大判(10両)・5両判・小判(1両)・2分金・1分金・2朱金・1朱金があり,銀貨には秤量貨幣の丁銀豆板銀(小玉銀・小粒銀)のほか,定位銀貨として5匁銀・1分銀・2朱銀・1朱銀が造られた。…

【金】より

…極印を打ち品位を保証した判金は,すでに15世紀に貿易金として現れ,やがて戦国大名中に鋳造するものもあったが,京都,堺,奈良などに判金,極印銀を鋳造し,両替,秤量,吹替などを営む業者が現れた。16世紀末には地方にも同種の業者が出て,彼らを金屋(かねや),銀屋,天秤屋などと呼び,領主から特権を受けたものが銀座・天秤座である。判金は品位を保証した秤量貨幣で,このほか竿金,延金,玉金など形状によって呼ばれた製錬したままの金も取引された。…

【金座】より

…また近世初期の武鑑類を見ると,世俗では金座と大判座とがまだ判然とは区別されていないことがわかる。1695年(元禄8)の金銀改鋳にさいしては,本郷霊雲寺付近の大根畑(本郷金助町)に改鋳工場が設けられて,この総囲いの中で金銀座一団となって作業が行われた。98年になると,改鋳工場は引き払われて本町一丁目の後藤の邸内に移された。…

【末吉勘兵衛】より

…近世前期の豪商。銀座の設立者。号は道勘,名は利方,勘兵衛は通称。…

【大黒常是】より

…江戸時代の銀座にあって,銀吹極め並びに銀改め役を務めた家の初代。銀座役所は銀貨鋳造のいっさいを管理し,常是は吹所(ふきどころ)をもっていて,銀貨鋳造の作業に従った。…

【平野藤次郎】より

…大坂平野郷の豪家末吉の一統で,朱印船貿易家,銀座頭役,それに摂津国平野の代官職を務めた。父は末吉藤右衛門の三男次郎兵衛(長成)といい,その次男が藤次郎(正貞)で姓を平野と改めた。…

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