うなり
beat
振動数の値がわずかに違う二つの振動が重なるとき、二つの振幅がだいたい同じ大きさである場合には、振動が周期的に強くなったり弱くなったりする。これをうなりという。振動数がわずかに違う二つの音叉(おんさ)の放つ音波には、うなりが生ずる。日本の寺の釣鐘の音には、うなりの聞かれるものが少なくない。うなりには、振幅が最大となる腹(はら)と振幅が最小となる節(ふし)が次々に現れる。うなりの周期は、二つの振動の振動数の差の逆数に等しい。したがって、二つの振動数の差が小さくなると、うなりの周期が長くなり、二つの振動数が一致すれば、うなりは生じなくなる。うなりのこのような性質は、楽器の調律に利用される。うなりがもっともはっきりするのは、二つの振動の振幅が等しく、節における振幅がゼロとなる場合である。うなりは、位相速度ではなく、群速度とよばれる速度で進行する。
[飼沼芳郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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うなり
beat
振動数がわずかに異なる2つの波が重ね合されたとき,振幅が周期的に変化する合成波を生じる現象。うなりの振動数は2つの波の振動数の差で与えられる。可聴音の場合,うなりの振動数が6~7Hz以下なら耳で聞き分けられるが,それ以上になると濁った不快な音になる。2つの波の振動数が等しいとうなりは消失するから,振動数の一致を調べるのに使われる。電波の場合は英語のままビートといい,ヘテロダイン受信などに用いられる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のうなりの言及
【兄弟∥姉妹】より
…以上では主として兄弟間もしくは姉妹間のみにかかわる家族制度をとりあげてきたが,奄美・沖縄などにみられるオナリ神信仰は兄弟と姉妹の関係をめぐる家族制度のひとつである。奄美・沖縄では一般に兄弟をイヘリ,姉妹をウナリ・オナリとよぶ。これは兄弟姉妹を一括してキョウダイとよぶ本土の用語法とは異なる日本語である。…
※「うなり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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