日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウリジル酸」の意味・わかりやすい解説
ウリジル酸
うりじるさん
核酸の構成単位であるヌクレオチドの一つ。ウリジン一リン酸(UMPと略記)ともいう。ピリミジン塩基の一種であるウラシル、五炭糖(ペントース)であるD-リボース、リン酸が各1分子ずつ結合している。他のヌクレオチドの場合はリボースのかわりにデオキシリボースを含むデオキシリボヌクレオチドも存在するが、ウラシルはDNA(デオキシリボ核酸)に含まれていない(かわりにチミンが含まれている)ので、デオキシウリジル酸は天然には存在しない。リン酸がリボースの3位か5位に結合することによって、3'-ウリジル酸か5'-ウリジル酸になる。いずれもRNA(リボ核酸)を適当な加水分解酵素で分解すれば得られるが、生体内に単独でも存在する。
[笠井献一]