ウリジル酸(読み)うりじるさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウリジル酸」の意味・わかりやすい解説

ウリジル酸
うりじるさん

核酸の構成単位であるヌクレオチドの一つ。ウリジン一リン酸UMPと略記)ともいう。ピリミジン塩基一種であるウラシル、五炭糖(ペントース)であるD-リボースリン酸が各1分子ずつ結合している。他のヌクレオチドの場合はリボースのかわりにデオキシリボースを含むデオキシリボヌクレオチドも存在するが、ウラシルはDNAデオキシリボ核酸)に含まれていない(かわりにチミンが含まれている)ので、デオキシウリジル酸は天然には存在しない。リン酸がリボースの3位か5位に結合することによって、3'-ウリジル酸か5'-ウリジル酸になる。いずれもRNAリボ核酸)を適当な加水分解酵素で分解すれば得られるが、生体内に単独でも存在する。

[笠井献一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウリジル酸」の意味・わかりやすい解説

ウリジル酸
ウリジルさん
uridylic acid

ウリジン一リン酸 (分子式 C9H13N2O9P ) の総称で,UMPと略す。リボ核酸中の一成分で,波長 260nm ( 2600Å ) 付近紫外線を吸収する。糖部分につくリン酸基の位置により,2' -,3' -,5' - の種類 (異性体) がある。1つのリン酸基が 2' ,3' 位に環状についているものもある。 5' -ウリジン一リン酸は,生体内でオロチジル酸から生じる最初のヌクレオチドである。ウリジル酸よりもリン酸が1個多いウリジン二リン酸 UDPは,多糖類合成の中間代謝に重要な役割を果している。 UMPは UDP系補酵素の成分である。 (→ウリジン三リン酸 )  

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