改訂新版 世界大百科事典 「ウリハムシ」の意味・わかりやすい解説
ウリハムシ
Aulacophora femoralis
甲虫目ハムシ科に属し,ウリ類の害虫として知られる。別名ウリバエ。成虫は背面が橙黄色で,腹部は黒色。胸部に深い横溝がある。体長約7mm。本州以南に広く分布し,朝鮮半島,中国,インドなどにも生息する。成虫は4月ごろから出現し,ウリ類の葉をまるく輪のように食べる。5~8月に土中浅く産卵。幼虫はウリ類の根を食害する。幼虫のからだは白色,円筒形で細長い。胸脚を有し,腹部末端節の背面に環状の点刻を密に有する。十分成長したものは約10mm。土中で蛹化(ようか)し,夏から秋にかけて成虫となって出現する。1年に1世代で,枯葉の下や土中に潜って越冬する。同ウリハムシモドキAtrachya menetriesiの成虫は本種より小さく,体長約5.5mm。からだは淡黄褐色で上翅の両側から後方にかけて褐色または黒色を帯びる。ダイズ,クローバーなどの葉を成虫,幼虫とも食べるため害虫として知られる。
執筆者:林 長閑
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報