アカバ湾に面したイスラエル最南端の港湾都市で,紅海を通ずるイスラエルとアジア・アフリカとの貿易の拠点。ヘブライ語でエーラトElat。人口2万(1982)。古代からアフリカとシリア,パレスティナとをつなぐ交通の要路として栄え,シバの女王もここに上陸してソロモン王を訪ねたといわれる。十字軍時代以降は,アジア・アフリカと地中海諸国とを結ぶ交易中継地として栄えた。イギリスの委任統治時代は隣接するアカバ港(現在のヨルダンの港湾都市)に重要さを奪われ,ウム・ラシュラシュUm Rashrashと呼ばれイギリスの前哨基地があるにすぎなかったが,イスラエル領となってから近代的な港湾都市に生まれ変わった。
執筆者:木村 修三
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…紅海の最奥部でシナイ半島の両側に存在する湾入のうち東側の部分。イスラエルではエイラトEilat湾と呼ぶ。幅約19~27km,長さ約160km。…
…南部は荒涼とした砂漠がアカバ湾岸まで続く。南端のエイラトはイスラエルの唯一の紅海への出口として戦略上重要な港である。ネゲブへはティベリアス湖およびヤルコン川から灌漑用水路が延ばされて農業開発が進められており,またエイラトとハイファ間に送油管が通じ,さらに原子力研究都市ディモナがあるなど,イスラエルにとって戦略的に重要な地域となっている。…
※「エイラト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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